2024年通信簿 シーズン総括 ベンチ

【2024年成績】 143試合 71勝66敗6分 .518

昨季よりさりげなく勝率を上げながら順位を落として、しかしCS圏内には踏み止まりました。
その昨季が2位なのに優勝争いどころか下位予想が多かったことを考えれば大健闘と言えなくもなく、よって吉井監督の続投は妥当です。
ただ一年目はよいですが二年目も腰の据わらない野球に不満があったのも実際のところで、これが新庄監督のように三年目に花開くのか何もできない中途半端なままで退陣となるのか、西武やオリックスのおかげでそれっぽくなっただけでもあり、真価が問われる来季となります。

ホワイト企業

3連投はさせない週に4試合は投げさせない、助っ人は疲労を考えて休養日を設ける、そんなホワイト企業ぶりは吉井監督らしくあります。
チームのために選手を潰すのはダメとのポリシーはそれはそれで正しいですし、壊れたら次、と金満球団のようなことができないこともあってそこは支持します。
ただ最終コーナーを回ってもそれを堅持したのはどうよと思ってしまって、そのあたりが馬主にしては勝負勘が無いとも言われる所以でしょう。
それはもしかしたら選手も同じかもしれず、世間でもホワイトに飽き足らず転職する若手がいるとかいないとか、過ぎたるは及ばざるがごとしです。

なぜだ!

そういったポリシーに則ったにしても、なぜだ!と疑問を呈された起用がここそこにありました。
八木事変とまで言われた継投もそう、二保の重用もそう、右左にこだわって前日の殊勲者を翌日のスタメンから外すのもそう、例えば八木などは若手に経験を積ませてとの考えはありますがそれであれば続けて使わないと意味が無いのにあっさりと抹消して、八木を使ったのではなく他を使いたくなかっただけに見えます。
それら淡々とした起用、試合運びが最後まで平坦に続いてファンの不満が高まったのは否めず、ここはとにかく改善してもらいたいです。
顔ぶれもそうですが打順に意味を持たせてもらいたくもあって、吉井監督も「基本は相手の投手を見て使っていくんですけど、理想としては5、6番くらいまでは固定して、7、8、9番はツープラトンが理想かなと考えています」と好きでふらふらしているわけではなさそう、それにしたってふらふらしすぎました。
ただ益田には名球会、中村奨には聖域と新旧選手会長の縛りもあって自由度が下がっていたのが気の毒ではあって、その中での試行錯誤ではあったのでしょう。

内野シャッフルは失敗

その中村奨を活かすために敢行した内野シャッフルは、運用をミスったこともあり大失敗に終わりました。
まず打撃にプラスになると考えていた中村奨が上向く気配を見せず、守りでも足を引っ張りしかし「奨吾のチーム」に固執したのか軌道修正をせずにほぼ最後まで、GG賞を狙える守備力の安田をファーストにするもその影響もあってかプロ最低の数字に終わり、打撃ではよかった藤岡もセカンドをこなせず小川が台頭しなかったらもっと酷いことに、ショートもフラットな争いはかけ声だけで友杉偏重は一瞬の輝きでしかありませんでした。
これを来季にどうするか、ショートバウンドは上手く捌く中村奨をファーストにサードに安田がよいと考えますがソトの残留で中村奨を追い詰めることはしないと思われ、高校時代に守った外野も西川を獲って岡、藤原、高部が戻ってくれば荻野、角中もいて現実的ではありません。
かと言ってこのまま惰性で来季もこの布陣は考えたくもなく、もしそのままであれば中村奨の聖域を破壊して安田、上田と競わせる、二遊間も茶谷をきちんと使って宮崎を投入してサバイバル化させるのが最低条件、これが実現すれば誰が外れても結果が出なくても納得感はあるでしょう。

実戦主義の旗を降ろせ

そのためにもまずシーズンを戦い抜く体力、スタミナ、気力の維持が欠かせません。
井口時代に糸満キャンプで施設整備をさせてしまったことで石垣島にこもり続けるのはもう無理ですが半月に満たないキャンプでその後に実戦を重ねて、例年どおりに夏場以降に失速して、実戦はもちろん大事ですがチームとしてまだそのレベルに至っていないと断じます。
それでいてホワイトな起用をしても故障者が減らない、むしろ増えている、これは早期発見ができている体制によるものかもしれませんがかと言って早めに復帰できているかと言えばそうでもなくて、肩肘の故障は蓄積疲労で避けられないにしても走ってハムストリングとかはプロとして恥でしかありません。
へばっている、と吉井監督は平気で口にしますがそれも恥、酷暑に屋外球場のハンデはありますがガス欠を防ぐ基礎作りを選手任せにしているように思えます。
それも含めた競争を勝ち抜いた者が上がってくるメジャーはよいのでしょう、井口監督も吉井監督もメジャー経験者で違和感なくやっているのかもしれませんがバレンタイン監督もそうだったかな、しかしここは分母が小さいNPBで首縄でやらせなければダメな選手が多い現実を直視する必要があります。

金子参謀でいいの?

攻撃面での作戦を担っているのは金子参謀だと思われますが、盗塁を軽視する発言があったとも聞いて実際に走らせるケースは多くはなくてかと言ってバントやエンドランを多用するわけでもなく、ただバットを振らせているだけに見えて歯がゆいです。
これがヒットマンが多いとか長距離砲がガンガンであれば点になりますが、佐藤と岡が頑張って舶来砲も機能しましたがリーグ2位の打率で日本ハムを上回っているのに得点は40点近くも少なく楽天とほぼ同じでしかない、64盗塁は日本ハムと比べて27個も少なく93犠打は楽天より33個も少ないとなれば点の取り方が下手と言われても仕方がないでしょう、長打が少ないのであれば得点圏に走者をまず進めることを最優先としないと点になるはずがありません。
四球もソフトバンクに肉薄する多さで日本ハム、楽天にかなり差があって、つまりは出塁率は高い、しかし漫然と打たせることでリーグ最多の併殺打となって、出塁はしても小技は使わず運任せな雑な野球をやっているとの指摘を免れることはできないでしょう。
これを吉井監督が志向しているのであればどうにもなりませんが金子参謀が主導していれば首のすげ替えで改善する余地があって、コーチ人事が待たれます。

あとちょっと

怒濤のように苦言を呈しましたが、繋ぎの監督を意識してか選手を使い減らすことなく次に渡す思いによるところもあるのでしょう。
伊東監督の悲惨さに比べれば補強してもらいはしましたが井口監督ほどでもなく、吉井監督のやりくりがあってのCS圏内でもあります。
東條は上手くいきませんでしたが唐川を先発に戻して大事なところで白星を重ねて、議論の余地はありまくりですが佐々木の二桁も大事に使った結果です。
選手の頑張りがあってこそですが懸案の捕手に目処が立ちつつあり、ベテラン配慮が目に余るところはありますが荻野、角中も休ませつつ上手く使いました。
あともう少し、ちょっとしたことで大きく変わると思いたい、ストックを増やすのではなくフローを減らして長持ちをさせようとするやり方を変える、実績重視であれば過去ではなく現在に目を向ける、長打力不足や勝負弱さから目を背けず分母を大きくすることで得点を増やすために小技を多用する、我慢をするなら投資をしたのだからと高給取りではなく未来ある若手に目を向ける、どれも当たり前を当たり前にやる2025年であってくれよと願います。

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