2021年通信簿 シーズン総括 ベンチ

【2021年成績】 143試合 67勝57敗19分 .540

二年連続の2位は稲尾監督のとき以来の35年ぶり、千葉に移転後は初ですので記録的なシーズンでした。
史上最大の空騒ぎになるかと危うかったものの1シーズン制では51年ぶりのマジック点灯も果たして、最後まで楽しめた一年です。
それだけにあと一押しが足りなかったのが悔しいですし物足りなくもあり、一部の選手の活躍に引っ張られてチームとしての底上げができたかどうかには疑問が残るだけに来季はそこを重点的に鍛えて三度目の正直といきたい、もちろん毎年の息切れ対策も必須です。

新しい血の導入が必要

投手陣は種市、西野を欠く先発陣をどうやりくりするかが課題でしたが、序盤はなかなかに苦しかったです。
開幕投手となった二木がピリッとせず岩下の頑張りが無ければ大型連敗で崩壊したかもしれず、吉井コーチも頭が痛かったでしょう。
後半戦はその岩下と入れ替わるように小島の台頭に満を持した佐々木朗が軸となって形になりましたが、トータルとしては上手くいったとは言い難いです。
美馬の炎上癖は無用に引っ張りすぎでしたし、先発を代えるタイミングが球数やイニングにこだわりすぎていたような感じがありました。
自分的には有吉に近い感覚でどうして抑えられるかがいまひとつピンときていない河村ですが勝ち運があったところでも穴埋め的な起用しかしなかったのも疑問ではあり、中継ぎのときから重用していたかと思えばこの扱いの意図が分かりかねるのが正直なところです。
そんな不可解にも思える吉井コーチの起用はリリーフ陣にも見て取れて、昨季にあれだけ我慢をした東條を放置したかと思えば小野、東妻への愛はポスト益田を意図したものだったのか、残念ながらその期待に応えられませんでしたが目的があればよし、そうでなければただの井口化でしかありません。
それでも佐々木朗や河村だけではなく土居、横山ら若手の抜擢に森、古谷、中森らが続く来季となれば期待が高まりますので、あとは高齢化が進むリリーフ陣でしょう、昨季の澤村に続いてシーズン途中の国吉の加入は大きな戦力となりましたが、先発のそれに比べれば過負荷の影響がじわじわ出てきます。
彗星のように現れた佐々木千も来季は二年目のジンクスと戦うことになりますし、小野や東妻の成長に期待するだけでは心許ないので鈴木の配置転換や廣畑、八木の即戦力ルーキーをどう起用していくか、引き続きトレードによる整備をしたくもあり、そんな新しい血の導入が必須です。

競争は欠かせない

それなりに数字を残しているように見えた打撃陣はしかし打率は終わってみれば下位に低迷し、リーグ3位の本塁打もリーグトップの盗塁もその4割以上をレアード、マーティンの大砲二門で、荻野、和田の快足二脚で稼いだものですのでチームとしての底上げになってのものとは言えない弱さがあります。
固定主義については「一軍の当落線上の選手たちがミスを怖がっているからメンバーを固定した」と自覚はあるようですが、なぜミスを怖がるのか、レギュラーのそれには甘いのに控えがやると指弾するのが理由ではないか、昨春に中村奨が第一クールでリタイアしたときには何も言わなかったのに今春の平沢には「準備が足りない」としたのが象徴的で、無意識なのかもしれませんがその不平等感に変化はありませんでした。
本来であればレギュラーに厳しく控えは引っ張り上げることで競争を促すべきところで、それが真逆になってしまっています。
吉田が一発を含む2安打4打点も四打席目に犠牲フライを打てずに三振すれば「あれでは一軍はダメ」と、まず誉めた上で課題を指摘するならいいですが、誉めるどころか「関係ないところで打っても」と評価しないのは心を折るのに充分すぎて話になりません。
そういった球団にはシナリオライターを用意して欲しいぐらいのコメント下手は相変わらずで、語彙力不足、表現力不足で真意が伝わっていないのであればなおさらに、負ければ念仏のように「しっかりと」「やってもらわないと」「切り替えて」を聞くのはもう飽きました。
CSのファーストステージのときにはおっ、と思うような変化がありましたがファイナルステージには戻ってしまい、その指摘は正しいのでしょうがそこに「だからこうする」というものを付け加えるだけでかなり印象が変わってくるものが、抑えられない、打てない選手が悪いで終わってしまっています。
そして就任から4年連続の秋の失速をどう受け止めているのか、練習熱心だった選手井口とすれば基礎体力などは個人できっちり鍛え上げるべきと考えているのかもしれませんができないのが大半の選手で、それが結果に顕れているのですから実戦重視の時短キャンプをやっている場合ではないでしょう。
ようやく愛が薄れたのかと思った春先の藤岡の変化は開幕前の小川、そしてエチェバリアの加入による競争が理由の一つだと考えますがいつの間にやらレギュラー固定に戻ってしまい、打てない藤原に固執する一方で和田は代走のみとするなど層を厚くする施策の怠りが監督として、将来的にGMを志向するのであればいずれにしても自らの首を締める行為に他ならないと、そう井口監督には気付く今オフであってくれることを願います。
手厳しく指摘するのも心苦しいですが自分だけではなくこの成績で批判が少なくない監督も珍しいのではないかと、井口監督でなければ優勝できたと言われるのは屈辱のはずですので自身に対しても選手に対しても、長所を伸ばす言動、采配を来季こそは見せての胴上げで喜びたいです。

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