2024年通信簿 シーズン総括 投手

【2024年成績】 143試合 71勝66敗37S 9完投 17完封 10無四球 防御率3.17 1276回1/3 1120被安打 87被本塁打 374与四球 61与死球 1033奪三振

この時点では小野コーチとの役割変更が分かっていなくての黒木コーチです。
昨季に比べて防御率が改善しましたがしかしリーグ5番目はそのままで、投高打低によって全体的に数字がスライドしただけでしょう。
勝ち星が増えたのにセーブ数が減っているのは大味な展開が多かったのが理由か、勝つときは大勝で負けるときは僅差、といった感じです。
1完投が9完投に、8完封が17完封に、ここは顕著に改善していて小島が5完投と先発陣を引っ張って種市も2完投、左と右のエースが確立しつつあります。
リリーフ陣は二年目のジンクスに蹴躓く面々にここぞで打たれる守護神と先発の勝ち星を消したケースが少なくはなく、来季への大きな課題でしょう。

先発は・・・

昨オフに吉井監督は唐川、東條を先発に転向させて16人もの候補を挙げて、さらには軸になる投手以外は期分けして起用していく構想を披露しました。
これは多くの投手にチャンスがある一方でシーズンを通して投げられる投手がいない、休ませながらやりくりしていくしかないが本音にも思えて石川歩と入れ替わるように唐川、思い出したように田中晴などはピリオダイゼーション的だったのかもしれませんが実態としては長めの間隔といったところです。
ほぼ中6日で一年を投げ抜いたのは小島だけで規定投球回に達したのは他にギリで種市のみ、リーグとして12人しかいないため平均的で分業制が極まっています。
100イニング以上だったのはこの二人にメルセデス、西野、佐々木と5人となればそれなりには先発陣は機能したのではないかと、ブルペンデーを除けば加えて石川歩、美馬、唐川のベテランにカイケルとダイクストラの助っ人勢、中森に田中晴の若手とバランスよくもありました。
ベテランが長続きをせずに佐々木、種市の故障離脱と思惑どおりにいかなかったのを若手で埋めて、世代交代の一助にもなって悪いことばかりではありません。
ただ懸念が無いわけでもなく佐々木は早晩いなくなるでしょうし石川歩らは保ってあと2年、二軍で中森らに続く若手が伸び悩んでいます。
両刀だった高野脩が最多イニングでそれに次ぐのが美馬、中森、田中晴、二木とさらなる押し上げが期待薄で、木村に田中晴の再来を祈るにしてもドラフトの上位で投手を指名しなくてよかったのかの答え合わせは来年の今ごろでしょう、メルセデスとカイケルの去就がどうなるかも重要です。

リリーフは・・・

中継ぎは西村、澤田、坂本と見事なまでに移籍組が二年目のジンクスに撃沈しました。
西村は出足は悪くもなかったですがオープン戦から四球の多さが気になっていてそれが開幕一ヶ月ほどで火を噴いて、7月上旬を最後に浦和に定住です。
澤田はむしろさらなる昇華があるのではとそんなピッチングが続いていましたが交流戦で続けて3失点の炎上で抹消されてそこまで18試合で失点したのが1試合だけだったため意外でもあり、その後は二軍でもうひとつの数字で昇格の機会が無く最後の最後に地元最終戦での三者凡退が来季への光でしょう。
坂本は浮き沈みが激しく西村らとは違って出足で失敗してしかしすぐに持ち直していけるかと思ったらすぐに失速して、トータルでは散々でした。
この3人の穴を埋めたのが復活した国吉、覚醒した鈴木、評価は難しいもののフル回転だった横山です。
国吉は連続試合無失点の球団記録を更新して鈴木は防御率0点台でオールスター、侍ジャパンに選出されて、師匠に似た不安定さを垣間見せながらも防御率1点台の横山も頑張ってくれました、横山などはブルペンデーの先発をしたり勝っていても負けていてもとベンチには助かる存在だったでしょう。
ここぞで打たれたのはベテラン勢でそれぞれ数字としてはそれっぽいですが痛恨の一打が多かったような、澤村に益田、澤村は複数年契約が終わっておそらく来季は単年で進退を賭けるシーズンになるでしょうし、益田は名球会入りを決めた後にどうなるかどうするか、正念場となります。
助っ投を先発二枚とすると箸にも棒にもかからなかったコルデロの扱いも注目で、そして何より継投のタイミング、メンツです。
八木事変もそうですし早すぎる交代、遅すぎる交代、これらは結果論ですが「今季は複数イニングを投げられる投手を、たくさん準備したい」はイニング跨ぎも含めてのものだと思われそれで継ぎ接ぎとなったのは否めず、吉井メソッドの縛りもあって、上手く回せていたとは言い難いものでした。

来季は・・・

先発陣は佐々木が抜けるかどうかでガラッと変わって、でも抜けるものと覚悟してやっていくしかありません。
穴を埋めるのは中森と田中晴、この二人がかりでやってもらうしかなく、中森の伸び悩みが懸念ですが我慢が必要でしょう。
下からの突き上げが弱いですが早々に高野脩の先発専任を明言した吉井監督が貫徹できるか、それ以外に出る芽があるかにかかっています。
中継ぎは西村らの復活が待たれますが菊地がどこまで伸びるか、ファンの願いは鈴木に続けですがそのためにも球威アップが必須です。
一條、廣池も中位以降の指名ながら大学生には一年目から一軍で投げられるようになってもらいたい、しかし大谷があんなで期待はしても計算はできません。
守護神はとにかく名球会入りまでは益田で辛抱でしょう、それが辛抱でないピッチングが理想ですが裏腹だったときにその後をどうするか、鈴木らの状態にもよるでしょうしコルデロがオスナになってくれるのが一番かな、来季にいるか痩せているかも分かりませんが、それぐらいに不透明です。

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