2023年通信簿 シーズン総括 投手

【2023年成績】 143試合 70勝68敗45S 1完投 9完封 10無四球 防御率3.40 1283回 1194被安打 101被本塁打 412与四球 46与死球 1102奪三振

数字的には昨季とほとんど変わりませんでした。
被本塁打が減って奪三振が増えたのもそう、投高打低が続いてその流れに乗ったものが数字に顕れたと思われます。
しかし僅かではあれ相対的にリーグ内順位を落として上から5番目、首位のオリックスとの防御率の差は0.67と永久凍土打線を抱える身としてはしんどく、しかしその差は昨季と似たようなものでツートップのオリックス、西武にどう追い付いていくかが来季以降の課題となります。
しかし先行きは厳しい、石川歩、美馬、唐川と年齢的に厳しいところにきて故障者も相次いで、しかし次の芽がなかなか出てきません。
面白いように当たっている移籍組で何とか保っているうちに佐々木朗の本格化、横山や中森らの台頭を皮算用に入れなければならないのは先発、リリーフともにこれといった補強が無く、今後もあまり期待はできず、オウムのように繰り返す「若手が」がまた繰り返されることになるのでしょう。

先発は・・・

早々と打ち出した石川歩の開幕投手を数日で撤回、これが躓きの始まりでした。
練習試合では岩下、鈴木、佐藤奨と候補の面々がボロボロで石川歩はプロ初の一軍未登板の挙げ句に右肩の手術で長期離脱となり、岩下と鈴木は中継ぎに転向するも岩下は病気、鈴木はメンタル不安を解消できず、佐藤奨も遅球に慣れられてしまったのか二軍でも数字を残せず戦力外通告です。
石垣島で別メニューとなった二木は8月下旬にやっと二軍で投げ始めるも一軍には呼ばれず、森はあまり信用されず、ドライチ菊地は戦力になりませんでした。
一方で西野、種市の復帰がその穴を埋めて西野はキャリアハイに届かずも8勝、種市は初の二桁勝利とこの二人がいなければ最下位もあったでしょう。
同じトミージョン手術を受けながらも西野に充分な間隔を空けながら種市に中5日を強いるなど年齢や状態を見ての判断だったにしても、最後の最後に種市が右肘炎症で消えてしまったのはあれだけ前回の故障を悔いていた吉井監督にしてそうせざるを得ない台所事情でもありました。
そう、今季も佐々木朗はシーズンを全うできず最終盤に復帰するもショートイニングに終始してCSFinalステージには名が挙がらず、タイミング的にはこれまた不可解なオールスター明けの中4日が起因になってしまったようにも思えますが昨季と同じ春朗希、スタミナ不足が懸念されます。
余程でなければ2027年からメジャーとなればまさか一度も規定投球回に届かないままってことはないよね、来季こそクリアしての二桁勝利がノルマです。
規定投球回に達したのは二年ぶりに二桁勝利の小島だけで、しかし防御率はリーグのブービーメーカーで乱高下もあり安定しませんでした。
また打線の援護に恵まれず数字が伸びないままに失速したメルセデスはまさにC.C.ロメロとなってしまい、そういった不運もチームの実力のうちです。
そんな一軍よりもさらに苦しかったのが二軍で規定投球回に届いたのは本前だけ、しかし大きく負け越してこちらもリーグのブービーメーカーです。
もっとも分業制が極まって一軍でも9人でしたが規定投球回はリーグで2人だけ、逆に言えばそれだけ使ってもらって一軍では1試合だけだったのが運の尽きとは調子がよかったときはまだ一軍もそこそこで、一軍が苦しくなったときに本前が調子を落として歯車が噛み合いませんでした。
一軍の状況に左右されるのは仕方なく、しかし唐川やら佐々木千やら廣畑やらが先発だったりリリーフだったりと腰が据わらなかったもの実際のところで左右と言うよりは右往左往、大きく育てるより小さく慣れさせる波に数少ないプロスペクトの一人である中森が飲み込まれないことを願うばかりです。

リリーフは・・・

守護神を含めた勝利の方程式を固定しない継投レバレッジを打ち出した吉井監督は、しかしこと守護神については益田に固定でした。
3連投はさせない吉井メソッドで横山らが代わったケースはあったものの、かなり打ち込まれはしても最後の最後まで益田です。
これは復帰の澤村が衰えを隠せず小野が右肘手術でいなくなり横山ももうひとつ伸び悩んで、そういった悩ましい事情もあったのでしょう。
それで益田が機能すれば結果オーライですが36セーブながらも3点台後半の防御率では神と呼んでいいのか、鉄腕も来季で35歳は本腰を入れて次を決めなければならず、名球会入りの250セーブ達成が一つの目処でそこまでは益田でしょうがその先は痛手を受けても次を作る覚悟が求められます。
セットアッパーは唐川や東條があんな調子でイップス疑惑を抜け出しても国吉は戦力にならず、ペルドモと幕張五人衆の西村、坂本、澤田、東妻、横山がいなければどうなったことか、澤田は途中からですし西村も中休みがあるなど皆勤はいませんがチームの大きな力となってくれました。
西村、坂本はキャリアハイですし澤田がここまで早く戻ってきて、しかも貴重な戦力になってくれたのは嬉しい誤算、東妻と横山はまだ不安定感がありますが少しずつでも階段を上って来季はさらなる飛躍が期待されて、そして西村らの二年目のジンクスでしょう。
澤村は渡米したためちょっと違いますが二年続けての活躍がなかなか難しい移籍組、研究もされるでしょうし疲れもあるでしょう、オフの過ごし方が大切です。

来季は・・・

ドラフトで即戦力投手とされるのは大谷だけだったことで、基本的には今季とほぼ同じメンツで臨む2024年となります。
一部例外を除けば先発は中6日、リリーフは週3試合までで3連投は無し、これだけ気を使っても故障者が出るとなるとどうしたものか、それならばと負荷をかけるのかさらに優しくいくのか、心身のスタミナを付けるための施策に心当たりがあるのか、技術以前にまずそこでしょう。
先発陣では手術をした石川歩は勘定に入れられず美馬の上積みも期待できず、佐々木朗と小島の両輪を軸に西野、種市がこれまた二年目のジンクスを乗り越えられるか、そもそも残すのかってのがありますがメルセデスにカスティーヨ、ここに二木あたりが絡めないと苦しさが増します。
つまりは今季とさして変わらない陣容でどう乗り越えていくか、吉井監督と黒木コーチのやりくりが問われます。
リリーフ陣は五人衆が五人衆のままでいられればいいですが密かに期待をしないでもない国吉、先発と両にらみではありますが河村、中森、賭けとしか思えない大谷が一年目から一軍で投げられるのか、ペルドモをキープできるか、「~か」と狸のラインダンスばかりですが「やってもらう」しかありません。

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