57 小川龍成 内野手 26歳 年俸1200万円
【2024年成績】 119試合 261打数 33得点 63安打 打率.241 2二塁打 0三塁打 0本塁打 21打点 10盗塁 30四死球 52三振 得点圏打率.313
自分として今季の最大のサプライズは、まさかここまでやれるとはこれっぽっちも思っていなかった辰年に龍に成った小川です。
小川は外野のそれも守備固めに活路を見出すことこそが生き残る道だと考えていて、しかし昨オフの契約更改での会見で「やっぱり自分としては、しっかり内野手のレギュラーとして試合に出たいという気持ちがあるので、そこをしっかりオフシーズンやっていきたい」とその意気込みが不安でしかありませんでした。
この時点ではまだ内野シャッフルが明かされておらず狙いはショートで最初の守備機会こそそのショートでしたが徐々にセカンドでのスタメンを増やしてレギュラーに近付いて、加えて終盤戦には狙いのショートを侵食しての119試合は大躍進でしょう、誰がこの覚醒を予想できたか、素晴らしいの一語に尽きます。
藤岡の離脱という運はあれどそのチャンスを掴み取ったのは小川の弛みない努力のたまもので、自分的にはロッテの富樫ですがちいかわとして人気も沸騰中です。
セーフティーの鬼
今季の小川を象徴するプレーは、ほとんどのファンがあのサヨナラスクイズを挙げるでしょう。
二死、しかも満塁というありえない状況でのそれがドンピシャに決まって、そこまでもセーフティーを何度も成功させて警戒はされていたであろう中であそこしか無いというバントコントロールは練習の成果であり、必ずしもその努力が報われる世界ではありませんが地道な、ひたむきさが成果に繋がって嬉しいです。
それはいかに活路を見出すかを考えた末の、ロールモデルを意識してのものと思われ、ただバットを振っている選手に爪の垢を煎じて飲ませたいです。
63安打のうち16本が内野安打でそうなれば当然にサードが前に出てきて、それをあざ笑うかのような流し打ちも見事でした。
今宮や水野のように小柄でも放り込めるのが羨ましくツーベースですら2本しか無い小川にもう少し長打が欲しくもありますがそれを志向してバランスが崩れれば元も子もなく、夏場以降に大きく数字を落として2割5分を切ってしまったのが残念でしたが、小川であればきっとその課題を克服してくれると信ずればそのスタイルを貫くでよいかと、4打席ある安心感か落ち着きか、これまで淡泊に見えたものが選球眼もよくなってファールで粘ってイヤらしい打者に衣替えです。
藤原ほどではありませんが両足を開いて重心を下げてどこか角中にも似ていて、内に体全体ではなく腰だけ引いたり体をよじるだけなのもそうでした。
初めて上手いと思った
守備を買われての指名だったはずがそうでもないな、そんな印象が変わったのも今季の小川です。
上手いなと思ったのはきっと初めてで、ベンチの指示があってのものでしょうが左打者に深く守って当然に動く範囲が広がってそれでも速い打球に追い付いて柳田が呆然とするなどGG賞で6票ではありましたが見ている人は見ている、それを目標に掲げるのは当然でしょう。
セーフティーと同じく石垣島では藤岡とともに早朝特守を重ねて、神様は見ている、報われる努力は次へのエネルギーとなります。
来季はまた中村奨がセカンドに戻ることで藤岡とのvsに加わるのかショートを再び狙うのか、どちらであれ守備の不安は無くしかし便利使いの守備固めにされないよう、それも向上心の一環でしょうが打撃フォームの改造に懸念はあれど攻守ともにさらなる飛躍が期待されます。
見返せ!
【オリオン村査定】 1200万円 → 3000万円 (△150%)
433打席の中村奨が27打点、369打席の藤岡が29打点に対して小川は313打席で21打点とその与えられた打順を考えれば遜色ない数値で複数のサヨナラに絡んで勝利への直接の貢献もあり、レギュラーに近い存在に相応しい1.5倍の大幅アップとしました。
球団は倍増ちょいという渋めの査定でまだ一年だけという考えによるものでしょう、来季も結果を示して見返せばハーフミリオンも夢ではありません。