【2023年成績】 143試合 4744打数 505得点 1135安打 打率.239 220二塁打 12三塁打 100本塁打 475打点 73盗塁 453四球 62死球 1011三振
打撃成績を見てみると意外にも打率、本塁打、得点は僅かながらも上昇して、リーグ内順位も1つ上げて、しかしその手応えは全く感じられませんでした。
勝ち星も増えているため妥当と言えば妥当ではあるのですが、吉井監督が最終盤に繰り返し嘆いた勝負弱さもそのイメージに繋がっているのでしょう。
またいわゆる主力が働かない、岡や角中、石川慎らが印象深い活躍をしてくれましたがあくまで脇役でしかなく、規定打席に達した中村奨がブービーメーカーなら山口がブービー、加えて安田、ポランコが下位5傑にいる体たらくではそりゃここぞで点を取れるわけがありません。
作戦面を金子参謀が司っていたように思えますが打撃面では福浦ヘッドだったのか村田コーチだったのか、この勝負弱さを精神論で逃げるならそれこそ永平寺に行けと言いたくなりますし、永久凍土打線が融ける日が来るのか来ないのか、いつになるのか、待ちくたびれてろくろ首です。
そして荻野が出遅れて高部は全休、期待の西川、山本も故障がち、投手陣だけではなく野手陣にもプレー以前の選手が目立ったのも層の薄さに繋がりました。
逆方向に強く打て
その福浦コーチは秋季キャンプのときから逆方向に強く叩くことを指導して、それなりに成果が出たようにも思えます。
近藤塾によってかもしれませんがなでるようなスイングだった藤岡がレフトに強く放てるようになって、一方でこれまで右に上手く運んでいた山口が助っ人チックに外低目を空振るようになったのはホームランを欲しがって自滅した井上の二の舞でなければよいと、祈るばかりの気持ちです。
緩やかにキャリアハイを重ねていた安田もガクッと率を落として藤原の期間限定も変わらず、世間的にはあまり停滞が目立たずにCSではドライチがスタメンを張って神過ぎると記事になっていましたが、現実には伸び悩んでいるとこれで満足しているロッテファンはそう多くはないでしょう。
ポランコは獅子奮迅でしたがそもそも「若手の成長」と使い古されたキーワードで助っ人野手を一人体制で臨んだのがそもそもの間違い、かと思えば途中補強のブロッソーに固執して安田を慣れないファーストに追いやったり茶谷らの出番を奪ったり、納得のいかない起用がまま見られたのも今季の特徴でした。
作戦面では2年続けてリーグトップだった盗塁数が半減してこれは監督の野球観の違いによるものと思われ、犠打数が増えたのはロッテだけではなくリーグの傾向となれば投高打低で少しでも確実に得点圏に走者を進めようとの流れに沿ったもの、バント推しの自分的に違和感はありません。
もっとも盗塁はタレントがいない、昨季の盗塁王が全休だった影響も大きく、高部が復帰できれば来季は違ったものになると思われます。
カメレオンアーミー
吉井ロッテで顕著だったのはカメレオン打線とも呼ばれた打線の非固定で、143通りこそ無くなりましたがほぼそれに近いものがありました。
適性を見極めるという意味であれこれ試すのはありだと考えますがものには限度があって、打順に意味を持たせたい自分的になぜそこに据えるのかと疑問に思ったことが多々あって、そして右左にこだわらないのはいいですがデータを全く無視したかのような抜擢は例えばオープン戦にダメダメだった井上が開幕四番です。
これはさすがに驚いた、本人もビックリしたのではないかと、それでいて井上と心中するわけでもなく打線を弄んでいた感は否めません。
これが終盤戦あたりには固まってくればまた違った受け取り方もできたでしょうが、最後までとなれば二年計画なのか、来季に一転してせめて中軸を固める起用となればなるほどとなりますが、立場が人を育てる、そんな2024年になってくれよとそこは期待するのみです。
主客転倒なるか
聖域、ミニ聖域、助っ人偏重、これが続くかどうかも注目ポイントです。
助っ人についてはブロッソーの残留があるとは思いませんし思いたくもないので置いておくとして、中村奨と藤原はもっと競わせるべきでしょう。
それだけではないにしても藤岡が生き返った、と言うよりはプロ最高の数字を残せたのは友杉とバチバチやった要因が大きいのを否定できないはずで、ライバルがいないならまだしも茶谷は200打席近くで.284、池田もなぜか浦和暮らしが長かったですが100打席以上で.269は中村奨にぶつけるが妥当です。
和田も初の100打席超えで.265に3発は吉井監督が「足が速いだけ」の認識を改めるに充分で、藤原に取って代わるだけの力はあります。
そして恒例のガス欠にどういう手当てをするか、中盤戦ぐらいまではリーグ最少を競うほどの堅守だったものが夏を過ぎるあたりからボロボロが目立ったのはスタミナ不足で足が動かなくなったことも理由ではないかと、また疲れによる精神面での不安定さも見て取れました。
藤原が続けて見失ったのはまた違うにしても一瞬の判断ミス、無駄な進塁を許すなど打撃面だけではなく守備面にも不健全なる心身が綻びをもたらしました。
必ずしもそうすれば主客転倒となるかは分かりませんが今季のショートのように全体にフラットを適用すれば「本物のレギュラー」が誕生する素地が出来るわけで、こいつは、と思い入れて育てるのが必要なケースもありますがここ数年で見飽きた、その時期はとっくに過ぎていると考えます。
スタメンに起用すれば基本は4打席、それを一年続けたのですから選手の力量はほぼ見切れたとなればなおさらです。
2008年通信簿 2013年通信簿 2018年通信簿
2009年通信簿 2014年通信簿 2019年通信簿
2010年通信簿 2015年通信簿 2020年通信簿
2011年通信簿 2016年通信簿 2021年通信簿
2012年通信簿 2017年通信簿 2022年通信簿