58 河村説人 投手 24歳 年俸800万円
【2021年成績】 20試合 4勝1敗0S 防御率3.46 41回2/3 39被安打 4被本塁打 17与四球 0与死球 28奪三振 被打率.258
新入団選手発表会で叶えたい夢を「幸せな家庭を築く」と高野臭を感じさせた河村はその後もプロ初勝利の七夕に世界平和を願い、オフには「契約更改と言えば眼鏡」と笑いを取り、しかしマウンド上では実は小心の裏返しにも思えますが鉄面皮を通り越した貴族が下民を見下すかのような顔つきは育成枠契約で復活を期す松永に代わってふてぶて王子を襲名するに相応しいもので、打者からすれば小憎らしいのではないかと思います。
それでいて時折に見せるはにかんだような笑顔はギャップ萌えで女性ファンの心を鷲掴みかもしれず、人気者になれる要素はいっぱいです。
そのためにもルーキーイヤーがキャリアハイ、の悪しき伝統に躓くことなく来季はさらなる飛躍を、大卒ですが一年の遠回りがありますので本前と同い年ですし来季はやはり同い年の廣畑、八木が加わりますから生存競争は厳しく、先発であれ中継ぎであれ実りのある二年目であってください。
キリンがくる
石垣島でのフリー打撃に自慢のフォーク予告で安田から空振りを奪うなど出足よく練習試合、オープン戦では4点台の防御率と苦しみましたがチームで二番目の9試合に起用されて開幕一軍を勝ち取って、さっそくに開幕戦に敗戦処理ながらもデビューをしました。
そこから5月半ばまで15試合は吉井コーチが買っていたのでしょう、過負荷かつ高齢化が進む中継ぎ陣の底上げの意味合いがあったのだと思います。
ところが防御率を6点台まで落として抹消されると二軍では一転して先発起用となり、7月に再昇格をしてからは上げ下げを繰り返しながらも一貫して先発で同期ドラ1の鈴木やプロ初勝利を先んじられた本前を上回る4勝は長いイングは投げられなかったものの、きっちり試合を作る見事なものでした。
ルーキーの開幕4連勝は1950年の荒巻、1952年の宮崎、1956年の小野に次いで球団史上65年ぶり4人目で、荒巻の6連勝、宮崎の5連勝には届きませんでしたが堂々たるものでもっと投げさせればよかったのにと、プロ初勝利から五輪休みがあったにせよ次の登板は二ヶ月後でしたし、中6日はおろか最短でも中13日、先発陣が苦しくなった最終盤でも三週間も間が空くなどこのあたりはもやもやしてその理由が分かりません。
何にせよここまで先発として結果を残したのですから来季もまずは先発なのでしょうが、ピッチングとしては有吉の強化版と言いますかもうひとつ特徴が捉えきれないのが正直なところではあり、140キロ台後半を出すことはあっても平均では140キロ台前半で力押しをするタイプではなく、変化球の大半を占めるフォークにカーブ、縦スラなのかカットボールなのかどれも縦系はいずれも伝家の宝刀までは育ちきっておらず、よって総合力で先発がよさそうです。
球種がどうのよりも入寮に際してキリンの木彫りの置物を持ち込んだように192センチから真っ向投げ下ろす角度こそが一番の武器ではないかと、打者からすると見極めが難しく低めのボールを確信して見送った外崎がストライクコールに驚いたような表情を見せたこともあります。
腰を痛めた谷川に「10代だから早い方がいい」と手術を薦めたとのことで、自らの経験も踏まえたアドバイスは大人の風格が漂いますので大人のピッチングという意味でもやはり先発推しをしたくなる、そんな河村には山口、横山とともに栄光のドラ4復活を是非とも、頑張ってください。
【オリオン村査定】 800万円 → 1600万円 (△100%)