主要4紙は全て澤村と香月のトレードが一面で、ロッテの文字が一番大きかったニッカンを選びました。
その澤村が二軍での試運転もなく即日の一軍登録にはビックリしましたし大丈夫かよと、あるいは大嶺が早々と炎上することを見越してそこで投げさせるのかとも思いましたがどうしてどうして、ひっくり返した直後の六回に投入とは肝が据わっているにもほどがあります。
入団会見のときのユニフォームはどうやらレプリカユニだったようで57ではなく福嶋打撃投手の106で移籍後初登板の澤村は、しかしそのベンチの期待に応えて田村の落球というアシストもあり僅か11球での三者連続三振の圧巻デビューとは恐れ入りました、早速のお立ち台も当然でしょう。
150キロを超えるストレートに強風の影響があったにせよスプリットにしては落差がありましたがどうやらフォークではないらしいその落ちるボールは140キロ台後半となれば打者が見分けがつかずにくるくる回るのもこれまた当然、ただ見逃せばボールではないかと思えるものもありましたのでそれに慣れたときにどうなるか、まさに牛島がそれで急ブレーキがかかりましたので今日は安定をしていたコントロールとともに課題も見えた澤村ではありました。
それはそれとしてスポーツ紙が喜びそうな派手な活躍に菅野が勝ったことで報知は無いにしても、ニッカンあたりがまた一面で扱ってくれるかもしれません。
相性とは恐ろしや
昨季までは苦手にしていた上沢に今季の2戦2勝は上沢にとっての全ての黒星ですからキラーから脱したようにも見えますが実は2割ちょいしか打てておらず、いずれも打線が美馬に抑えられたことで11回を投げて援護点が僅かに1点ですから本人はやられたとのイメージは持っていなかったでしょう。
しかしその中でもここまでマーティンに3安打2発、角中にも2安打と打たれていたとおりに今日もその二人のみに打たれた4安打だけとなれば、抑えるも相性、打たれるも相性、これだけ見事に相性が出る試合もなかなかに珍しいのではないかと思います。
そんな上沢に対する打線は加藤のスタメン落ちに愕然としましたがどうやら試合前の練習からいなかったらしいので怪我でもやらかしたのであれば持っていないとしか言いようがなく、それにより和田がスタメンとなり結果的にマーティンの勝ち越しタイムリーをもたらす四球を選んだのはからっきしの他の打者とは違って前の打席でアウトにはなったにせよ強めの打球に警戒をしたのが理由であれば、巡り合わせがよすぎて、歯車がかみ合いすぎて怖いぐらいです。
それにしてもやはり強風の影響か落差のあるカーブの出し惜しみの理由が分からず、マーティンも全くタイミングが合わずに空振りをしていたのに最後は被弾と同じストレートを打たれて上沢、いや清水に悔いは無かったのか、打たれた後の上沢の引きつったような笑みが印象的でした。
大嶺はらしく、らしく
二度目のチャンスをもらった大嶺は4回2失点ですからそこそこ試合を作ったとはらしさがあり、しかし制球が甘く痛打されるのもらしさでした。
前回とは違って変化球中心の組み立てでここぞで140キロ台後半のストレートはメリハリがあってよかったですが、これまた強風によるものであろうスライダーの曲がりの大きさに中田、ビヤヌエバなど右打者がくそボールにしか見えないコースに手を出してくれたこと、近藤のハーフスイングを空振りにとってもらえたこと、ダブルスチールの形になった際のセーフっぽかったサードへの帰塁がアウトになりリクエストの要求もされなかったこと、マーティンが神肩を見せてくれたこと、などこれでもか、これでもかと幸運が重なっただけのような気がしないでもありません。
何となく抑えてしまうのが持ち味の大嶺ではありますがこれがそれとはとても思えず、前のカードではベンチ入りをしていた中村稔が今日は外れていましたから石川の夏休みの穴を埋めるものと思われ、次の火曜日は石川が間に合いますのでこれでお役御免になるのでしょう。
それでもこの二試合は本人、ベンチと言うよりは吉井コーチには大きな手応えになったはずなので、めげずに次の機会まで爪を研ぐ大嶺であってください。
継投は小野、澤村を経て勝利の方程式はそれぞれ走者を背負うやや苦しいピッチングでしたが、さすがにスタメンから外れた井上の代役はプロ初ファーストの菅野がそのファーストとして立ち上がりの大嶺を助け、レフトに戻ってはファールゾーンに切れていく打球を捕って唐川を後押しし、そして抜けていれば同点の打球の難しいバウンドを止めたことで益田を救い、澤村のイベントが無ければお立ち台に呼びたかった好守に投手陣は感謝をしているはず、素敵でした。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
日本ハム | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 10 | 1 |
千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | X | 3 | 5 | 1 |
◆9月8日(火) 千葉ロッテ−日本ハム13回戦(ロッテ8勝5敗、18時、ZOZOマリン、4,952人)
▽勝 小野 25試合2勝2敗
▽S 益田 32試合1勝2敗21S
▽敗 上沢 9試合5勝3敗
▽本塁打 マーティン20号(上沢)
▽バッテリー
千葉ロッテ 大嶺、小野、澤村、唐川、ハーマン、益田—田村
日本ハム 上沢、堀—清水、宇佐見