石川が涌井に見える

目の覚めるようなピッチングをしたかと思えば大きく試合を壊すことはなくとも簡単に先制を許してじわじわと差を広げられる、イニングを食って先発として欠かせない存在ながらもエースとしてチームを引っ張ることはできない、ここのところの石川が晩年の涌井に見えてしまいます。
予想を裏切らずにまたしても初回に失点、は四回もそうでしたし味方が点を取ってくれた直後のものですから流れとしても最悪でした。
前日にカード前半の勝ち越しを決めて一気に押し込みたかったところで有原から先制をしただけに、際どいコースに手が上がらなかった、打ち取ったはずの打球がタイムリーになる、など気の毒なところもありましたが厳しいことを言うようですがそこで踏ん張ってこそのエースです。
捕れるだろ、同点にされてしまった、のどちらだったかは分かりませんが近藤の打球を見ての首の傾げは、試合後の「感覚は悪くなかった」とのコメントからすれば前者のようにも思えて、ここまで5試合で1つも勝てない苛立ちもあるのでしょう、チームが勢いに乗り損ねた象徴のようでもあります。
そもそも近藤の打球があそこまで飛んだのは高めに抜けたからで変化球を制御しきれなかった、今日の石川はそれが全てでしょう。
7回途中までの125球を「試合を作ってくれた」と井口監督は評価していたようですが有原に対する栗山監督の「苦しい時に勝つのがエース」とは対照的で、勝ち負けの違いはあれど先日の種市に「エースの風格」と手放しだっただけに当初の開幕投手を美馬に譲ったのは必然だったのかもしれません。
それでもブラフにしか思えませんが昨オフのポスティング宣言は右肩下がりから抜けられない自らへの発奮、であればうつむかないで欲しい、胸を張ってマウンドを降りて欲しい、気持ちで負けてしまえばそこで終わりですから倣うのであれば涌井のそういうところを倣ってもらいたいです。
またご当地登板で抜けまくった山本はまだいいですが、右の強打者対策でまたしても失敗の致命的な被弾をした東條はそろそろ再調整のタイミングです。

打線は守りに続いてスタメンから外されたレアードの代わりはやはり井上しかおらず、しかし懸念したとおりに下降線のままに3三振の5タコでした。
レアードが代打で久々のアーチを放っただけに明日はどうするのか、井上の上体に力が入りまくった仰け反りが顕著なだけに悩ましいです。
そして無双の続く荻野を先兵に先制もその後は度重なるチャンスにあと一本が出ないどころか三振・ゲッツー祭りは悔しくも有原を誉めるしかなく、五回まで毎回得点圏に走者を進めてマウンドから引きずり降ろすチャンスはここそこにあっただけに二回の逸機などもうひとつ攻めきれませんでした。
それにしても九回に追いつかない程度の反撃があったためにそれっぽい得点差にはなりましたが2イニングを残しての5点ビハインドで和田、茶谷、あるいは鳥谷にお呼びが掛からないのは何をどうしたいのか、今日に二軍で福田秀が実戦復帰をしたことでおそらくは来週に一軍に戻ってくるのでしょう。
チームとしての底上げが無いままに「主力がやってもらわなければ困る」野球が続くのか、中盤以降は和田らが出てくるのを待っていただけに残念すぎます。

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日本ハム 2 0 0 2 0 0 3 0 X 7 12 1

◆7月17日(金) 日本ハム−千葉ロッテ4回戦(2勝2敗、18時、札幌ドーム、3,127人)
▽勝 有原 5試合1勝3敗
▽敗 石川 5試合2敗
▽本塁打 中田8号(東條)、レアード6号(秋吉)

▽バッテリー
千葉ロッテ 石川、東條、山本—田村、柿沼、佐藤
日本ハム 有原、玉井、宮西、秋吉—石川亮

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