2020年通信簿 22 田村龍弘

22 田村龍弘 捕手 26歳 年俸7000万円

【2020年成績】 92試合 203打数 12得点 44安打 打率.217 7二塁打 0三塁打 4本塁打 23打点 1盗塁 23四死球 45三振 得点圏打率.215

柿沼との正捕手争いは来季にお預け、白黒がハッキリしそうでしないもやもやとしたままにシーズンを終えました。
開幕直前に急性腰痛を発症するもギリギリで間に合って一番手でスタートをしますが7月に入って柿沼に侵食し始められて半月ほどスタメンマスクで白星から遠ざかった時期もあり、また9月上旬にバントを試みた際の死球で右手第2指末節骨剥離骨折での離脱でかなり厳しい立ち位置となります。
しかし柿沼があまりに打てなさすぎたことが貧打線と相まって打撃優先となったのか、9月下旬に復帰をすると閉幕までほぼ正捕手の座を取り戻しました。
それでも2割ちょいでしかなく高校のときの打てる捕手の称号はもう今となっては霞んでしまい、奪い取ったのではなく譲られたかのような今季は田村にとって不本意でしかなかったのではないかと、早ければ2022年のシーズンにも取得の国内FA権の価値を上げるためにはもう一踏ん張りが必要です。

足踏みが歯がゆい

これは田村と言うよりはベンチの方針が変わったのではないかと思っていますが、外一辺倒のリードは改善の傾向にあります。
どこか里崎にも似ている同じコース、球種を執拗に要求するところはまだ時折に垣間見せますが、昨季までに比べれば平常心で見ることができます。
ただ強いストレートを得手とする若手との相性がもうひとつで種市とは組ませてもらえませんし二木、岩下とも柿沼に劣り、一方で石川とはバッチリで美馬、小島は僅差ながらも柿沼を上回って、そのストレートを活かす強気のリードという点ではまだまだ柿沼に届いていないことによる結果なのでしょう。
おそらくトータルでは柿沼のリードの方が防御率に寄与しているのではないかと、そうであれば柿沼の打撃力向上、もしくは貧打線が発作的ではあっても活気づけばそのアドバンテージが相対的に薄まって田村である必然性が無くなり、あっという間に立場が逆転する可能性もありそうな来季以降です。
勝負の最終盤に実質的なパスボールを連発したのもイメージをさらに悪くして、後ろに逸らすことを恥とする里崎がバッテリーコーチであれば失格の烙印を押されそうな、武器だった盗塁阻止率も骨折による手指の影響があったにせよ柿沼に1割近く離されたことで当然に盗塁抑制率にも影響は出ているはず、またミットを動かしすぎるのがどうにも気になって、それを嫌う主審もいますしもう少しどっしりとしたキャッチングで投手を安心させてもらいたいです。
いろいろと苦言を呈しはしましたがそれも期待の裏返し、意外に小技も上手いですしこつんと当てたようなバッティングをしたかと思えば強振で左中間を破り、また逆らわずに右方向への打球が多いのも里崎を彷彿とさせる田村だけに、こんなところで足踏みをしている場合ではありません。

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