5 安田尚憲 内野手 22歳 年俸2200万円
【2021年成績】 115試合 351打数 27得点 85安打 打率.242 16二塁打 1三塁打 8本塁打 55打点 0盗塁 44四死球 82三振 得点圏打率.278
期待を裏切ったというところでも、そして数字的にも昨季から横ばいだった安田です。
高卒4年目とすればさほどに悪いものではありませんし、例えば同級生が社会人3年でプロ入りをしてこの数字であれば合格点だったでしょう。
それだけ期待が大きすぎると言えなくもなく、しかしファンもそうですがベンチに「もっとできるだろう」と思われているうちが華です。
こと長打という求められる分野で後輩の山口に抜かれてそれを抜き返すべく磨くのか、それとも率を意識するのか、どちらであれ勝負強い打者を目指すのか、ただ漠然と打席に入る時期はもう過ぎましたので方向性を決めなければなりませんし、どれが合っているかは自らが答えを出すしかありません。
性格であれば仕方なし
安田によく言われるのは「引っ張れない」「消極的」で、しかしこれが性格に起因するものであればそういうものと思うしかなく、もちろん引っ張ってのホームランは絵になりますし見逃し三振は見たくもありませんが、逆方向でもホームランはホームランですしボール球に手を出せば何でだとされるでしょう。
率は上がらずも春先は打点王争いを主導しましたし終わっての.244はチーム打率を超えているわけで、そこにもっとできるだろうと強く言うのではなくよくやった、次はもう少し上乗せしていこう、と声をかけるのがよさそうな、言われずとも黙々と練習をしているようですしその受け答えからしてとにかく生真面目で慎重、裏を返せば失敗を恐れるところもありそうなだけに叩いて伸びるタイプとは思えません。
そこは叩けば何くそとなりそうでまた開幕前に四番に抜擢されて「打席が増えるので楽しい」との山口とは真逆ではないかと、例えばその消極的にも見える部分については強制的にファーストストライクを振らせるとかエンドランのサインを多用するとかやりようはありますが、上手くいかないような気がします。
井口監督も苦言を呈している打撃フォームがころころ変わるのも考えているからこそでしょうが、これも結果が出ないことで何を言われるかと思ってしまうからではないかと、その自らを信じられない、我慢しきれないのも性格によるものであればなおさらです。
それにしても変えすぎました、左肘を上下させてのタイミングの取り方もそう、下げたり上げたりのグリップの位置もそう、見るたびにフォームが変わるとまで言われたのは異常としか思えず、本人に任せているような井口監督のコメントでしたがさすがに放置しすぎでしょう。
四番としての開幕は21歳11ヶ月、これは有藤を抜いての球団史上最年少となりましたが、四番をとの考えを捨てるのも一つの方策です。
見すぎるぐらいにボールを見るのは下位打線であればむしろよしとされるところですし、分母が5倍ほども違うので一概に比較はできませんが今季の四番では.213、出塁率.300だったものが七番では.487、出塁率.500という数字をどう見るか、易きに流れるのもどうかとは思いますが適材適所との言葉もあります。
打球方向にしても井口監督は右に引っ張るをモットーにしていましたので逆方向でも上等ぐらいでよいのではないかと、実際に左中間への打球に一番の伸びがあったりもして、このあたりはストレートに押し込まれる理由の一つであろう始動の遅れがバットコントロールの巧みさもあって逆に功を奏しているという結果論でしかない気がしないでもないですが、そこを逆手にとって長所とするのもありでしょう。
この秋季練習では「フォームがころころ変わるのもよくないところと分かっている。フォームの軸づくりをもう一回やっていきたい」「今はセンターから逆方向へ強い打球を打つテーマでやっています」と自分的には分かってるじゃん、と手を叩きたくもなりますがしかし肝心なのはそれを信じて続けることができるかどうかで、どこかで躓いたときにまた悩みモードに入って悪い意味での臨機応変さが発揮されてふらふらしないようコーチには手綱を握ってもらいたく、そして安田には四番でそれが発揮できないなら目指すところぐらいには周りの期待や声を気にせず「わがまま」であってもらいたいです。
【オリオン村査定】 2200万円 → 2700万円 (△23%)