どっちが主人公?

人間ドックで悪玉コレステロールが高いと、間食止めろ、運動しろ、とか言われてしまい、間食は止められず、運動がてら年末に再開した月イチ映画館です。
公開一週間に満たない作品ですので、観る予定の方はここで閉じていただくがよいと思います。
力を入れてペダルを踏んで予定より早めに着きそう、ってことでZOZOマリンを表敬訪問、今日はポカポカ陽気で待つに辛くはないにしてもお約束のように出待ちのファンが数人、いつも見る顔もいてそんなに収穫があるのか、もしかしたら競争率が低いため石垣島に出張るよりコスパがよいかもしれません。
そんな室内練習場前を避けたわけでもないでしょうが球場正面玄関から出てきたスーツ、コートの井上に遭遇しました。
写真をとも思いましたが足早だったので迷惑だろうと「営業のお仕事頑張ってください」「ありがとうございます」と型どおりのやりとりで終了です。

なるほど

ところで上映前にスマホを使うな、音を立てて食べるな、喋るなの映像が流れますが、前の座席を蹴るなってそんな奴いるのかよと、ずっと疑問でした。
うん、思わず蹴りそうになったぜ、前列のお年を召したおそらくはご夫婦が上映中にそれぞれ二回ずつ席を立って、目障りなことこの上ありません。
トレイが近くなるよね、それが分かる年頃になりました、でもね、小走りが無理でゆっくり歩くならせめて屈もうよ、それが周りへの配慮ってものです。

チャンバラ

さて、観たのは「室町無頼」でざっくり言ってしまうとチャンバラ、あれだけの殺陣をこなせば悪玉コレステロールを撲殺できそうです。
舞台は室町、足利義政の治世で凶作や疫病で民百姓が飢え苦しんでいるのを省みない守護大名たち、暴利を貪る土倉、それに立ち向かう一揆が京の都になだれ込んで証文を焼き捨てる、そんなストーリーでオリジナルではなく原作があるとは帰ってきてから知りました。
2時間以上と尺があったことで話の筋道は分かりやすく勧善懲悪も至極明快、その狭間で揺れる骨皮道賢こと堤真一は大げさ感はありましたがさすがです。
この骨皮道賢は実在の人物ですが一揆を率いる頭の蓮田兵衛も実在したらしく、寛正の土一揆も実際にあった話です。
シニカルな中にいつものオーバーパフォではなく口角で笑いを垣間見せる大泉洋もなかなかに、新たな一面を見せられました。

カエル

そう、その大泉洋が演ずる蓮田兵衛が当然に主人公だと思っていましたが、カエル才蔵の出番がそれと同じぐらいでどっちが主人公だよと、それでいて棒読みのカエルにもしやと思っていたらやはりジャニーズでそれで無駄とも見えた修行を長々と、会社名が変わっても何も変わっていないとため息です。
ところが原作ではどうやらカエルこそが主人公らしい、修行も原作にあって、しかし主役を張るには無理があっての立ち位置変更だったのかもしれません。
母娘の頭蓋骨だけが並んでいるとかどうやって七重の塔に登ったとか一揆を鎮圧するための軍勢はどこに消えたのかとか、野暮なツッコミは止めておきます。
ちなみに原作では蓮田兵衛だけでなく骨皮道賢も倒れて、その後は応仁の乱以降も才蔵が一揆を率いる終わり方のようですが、骨皮道賢は史実どおりに応仁の乱で刑死してカエルは一武芸者として生きている映画の方がしっくりくるかな、これはどちらかと問われればよい改変でしょう。
あと柄本明と北村一輝の無駄遣いが凄い、もの凄い、そして勘ぐりすぎかもしれませんが小太郎が誰の子なのかが気になったラストシーンでした。

2025年1月22日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

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