一粒で二度おいしい

試合の前半と後半で別の不甲斐なさを味わえる、マリーンズだけにM気質なロッテファンには最高の試合でした。
五回までは内野安打を含む僅かに2安打、高橋を打てないだろうとの諦観はありましたがそれでも序盤は攻め立てて攻めきれずそのうちに立ち直りを許すパターンかと思えばそれすら至らず、そうこうしているうちに4点ビハインドで席を立つタイミングを図り始めます。
ところが六回に3点を取ると八回には1点差まで迫り、しかしその得点後のチャンスにあとひと押しができずに追い付けない程度の反撃で終わる、そのまま無抵抗で終わっていたのともしかしてを裏切られる悔しさはどちらが大きかったのか、究極の選択までもたらしてくれる贅沢さでした。

いまごろ？

西武が初回の無死一二塁で三番森にバントをさせたのには驚きましたが、裏にロッテが同じことをやったのはいつものことです。
初回であろうがバントをするのに反対はしないスタンスですが三番にはどうよ、そしてその三番のバントを活かして先制する西武とバントを失敗してチャンスを潰すロッテとなればバントという作戦自体が否定されそうで、そしてセルフジャッジの中村奨が今の打線を象徴していました。
すぐに走っていてもゲッツーは避けられなかったでしょう、しかしチームを引っ張るべきキャプテンがそれでどうする、姿勢の問題です。
四回の満塁機には見逃しで、六回、八回はいずれも空振り三振のマーティンがそもそもなぜにスタメンなのか、高橋を打っているデータがあるわけでもなく、そしてこの結果を受けて「今シーズンずっとなの」に「考えないといけない」って今は何月だろう、さらに八回にはマーティンに飽き足らず代打レアードが力ないポップフライも「ずっと」なのに、これであれば同じ結果であっても伸びしろがある若手に投資する方が間違いなく有意義でしょう。
確かに長打の魅力がありそれを求められる助っ人ではありますが下手な博打にも似ていて、確率の低い賭けに負けを重ねる、から抜け出せない体たらくです。
今日も一発を放った山本や4安打の西川をこの二人との入れ替えと紐付けるような記事もありますが、しかし井口監督がその名前を挙げたわけでもなくしれっと角中になりそうな、あるいは孤高の人で頑張ったのにスタメンから外されてしかしタイムリーで気を吐いた菅野との入れ替えで終わるのかもしれません。
その菅野の一打、山口のマルチに眼福な井上の右中間、安田がストレートを捉えたやはり右中間があっただけでもよしとしなければならないのか、虚しい。

石川がイマイチ

石川は楽天も抑えていますがより多くの試合を抑えている西武との相性を考えたのか、それともただ体調がいまひとつだったのか、中10日での登板は5回8安打4失点と試合を作れず、気持ちは分かりますが打球に足を出してヒヤリとさせられて、ピリッとしないピッチングでした。
初回のピンチは二死までこぎつけるも呉念庭にセンター前に運ばれて、四回には逆に二死から連打を浴びて、五回は初回と同じくバントで送った走者を外崎に返されて、うちとは違って簡単にタイムリーを打つな、なんて思っているかもしれません。
もっとも打たれたボールはいずれも甘く入ったものでしたし風は強かったなんてのはお互い様ですので言い訳にもならず、規定投球回にはやや足りずも3位相当の防御率2点台半ばで6勝5敗は小島へのそれほどではなくも気の毒すぎますが、しかし今日に限っては自らを嘆くしかないでしょう。
そして乗れそうで乗れない佐々木千が結果的には致命的な5点目を奪われて、ここのところご無沙汰だった魔王栗山の降臨です。
そんな中で予想どおり戻ってきた西野が元気そうだったのと唐川が信頼してよさそうなのが喜ばしく、ほぼ同時期に症状があった和田が復帰したのに無症状だったはずの小野、坂本が消息不明なのが心配ですが当面は明日にもの東條で一区切りか、打線がしょぼければリリーフが頑張るのみです。

明日への活力に！

◆8月23日（火）　千葉ロッテ−西武20回戦（10勝10敗、18時、ZOZOマリン、17,385人）
▽勝　高橋　21試合8勝7敗
▽S　増田　40試合2勝2敗26S
▽敗　石川　17試合6勝5敗

▽バッテリー
千葉ロッテ　石川、佐々木千、西野、田中靖、唐川—松川
西武　高橋、水上、スミス、公文、森脇、増田—森