木村が嬉しいプロ初勝利です。
今季はまだナマ木村を見ていないため1年ちょっと前の石垣島での写真を引っ張ってきましたが、こうなるとすぐにでも現地で見てみたくなります。
高卒二年目での「快挙」は6月の田中晴よりも5月の佐々木よりも早く開幕カードで達成できるとは望外の喜び、先発でのものではありませんがヒリヒリする場面でのリリーフ登板にかかるプレッシャーは勝るとも劣らない壁を乗り越えての第一歩は貫禄すら漂うマウンド捌きでした。
いきなりの山川をあざ笑うかのように緩いカーブで三振に切って取って、お立ち台が目前だった正木、くせ者の今宮に臆することなく堂々たる三者凡退です。
そもそもあの場面で木村を使った吉井監督が大胆すぎる、4点ビハインドがさらに広がったらあるかもと思っていた木村をまさか追い付いた直後に投げさせるとはビックリ仰天で、そしてその期待に応えた木村は1イニングながらも中森、高野脩に匹敵する素晴らしいピッチングでした。
こうなると地元開幕カードで先発の代わりに誰か一人を外さなければならないのが悩ましい、現時点の予報では3試合とも傘マークでどこかが流れて結論を先送りできるにしても、敢えて木村を浦和に戻して開幕ローテに最初の疲れが見え始めるであろうGW後をターゲットに先発修業させるのもありと考えます。
神様は見ている
そんな木村の活躍もあり、敵地での開幕カードで3タテを食らわせました。
さすがに今日は無理かと思ったらどうしてどうして、絵にも描けない連日の逆転勝ちに小躍りしています。
開幕3連勝は2012年以来の13年ぶり、一方でソフトバンクの開幕3連敗は35年ぶりとのことでざまーみろ、ベンチで蒼白に、引きつったような表情だった小久保監督はこれっぽっちも想像していなかったであろうリリーフ陣の醜態に怒り心頭のままにやはり開幕3連勝の日本ハムと週明けにぶつかります。
勝ち投手の権利を手にしながらフイになった上沢にネット界隈では「神様は見ている」なんて声もあって、そして継投のタイミングが議論の的にもなるでしょう。
佐藤を空振り三振に仕留めてガッツポーズでお役御免は左対左が理由にはならず、左腕を苦にしないのは佐藤だけでなく実はポランコも昨季に.278と右よりも率が高く、もちろんヘルナンデスの角度で同じ左でも同列には語れずでもそれならば佐藤にだって、結果的にはあの継投が勝敗の分水嶺となりました。
ところで今日の解説者は誰だったんだろう、解説ではなくただの応援でしたが岩本と同じく相手もきちんと誉めて気分は悪くない、どころか「ここを抑えればいいんですよ」「ここは絶対に点を取られたらダメですよ」「ここは失点したらダメ」がことごとく失点に繋がる逆言霊が素敵で次の福岡でも是非ともお願いします。
連日のサンセット
ヘルナンデスを攻略した同点打は、またしてもサンセット岡でした。
前日のお立ち台が翌日にスタメン落ちと相変わらずな打線の組み方ですが見方を変えれば層が厚い、ここぞで代打起用できる分厚さです。
周東の追い方を見れば思ったより伸びたのでしょう、フェンス直撃のツーベースはポランコでも余裕の同点ホームインでした。
逆らわずに流したポランコ、ソトを迎え入れる打点王は来週に左腕が大挙して来襲しそうで出番が増える、嬉しいことに4試合がデーゲームです。
その流れのままに一気に勝ち越したかったですが代打中村奨は手も無く捻られての空振り三振も、次の打席では四球を選んで追加点のお膳立てをしました。
しかしまだノーヒットで藤岡にも快音が聞かれず、ショートだけでなくセカンドにも大穴が空いてリーグ最多得点ながらも課題は山積です。
守乱
劇的な勝利が続きましたが要は仕掛けが遅い、今日も五回のソトのホームランがやっとの初ヒットでした。
八回の無死一塁で初球を失敗すると高部に強攻を指示した作戦も気に入らず、バッテリーミスで勝ち越しに至りましたが結果オーライでしかありません。
珍プレーに笑っている場合ではない、周東でも警戒して三塁で止まった西川の強肩イメージはよきことですが今日も2つで両リーグ最多失策も何とかしたいです。
体の横ではなく正面で捕るもボールが手に付かなかった上田、バウンドが変わったのかもしれませんがへっぴり腰で「あっぶねー」と口にした中村奨に安田を使わなかったのはどうなのよ、無理な体勢での捕球に藤岡のトスが逸れたのは仕方ないですがそれでも併殺を狙ってか確実な捕球をしなかった小川は反省要です。
この差は何だ
種市は6回8安打4失点は2つのエラーが失点に絡んで自責1、そこまで悪くはありませんでした。
ただ本人も口にしているようにエラーがあったときにこそ踏ん張るのがエース、正木に真ん中の失投を放り込まれて浮いた高めが犠牲フライになって天敵牧原にタイムリーを浴びて要所で打たれたのがもったいない、初回の近藤、柳田の見逃し三振でいけるかと思いましたがなかなか上手くいきません。
それでも100球超えの粘投で中盤を抑えたのが勝利の一因でもあって、小島は早めに見切って種市はそうでなかった差は何なんだろう、脳内不明です。
もっとも吉井監督はともにダメ出しで手厳しい、主戦だからこそってのがあるにしても不甲斐ない野手の主力に対するそれとは大違いです。
連投不可?
おいしい3点リードとなって当然に益田かと思ったら鈴木、一日でも早く枷を外したい自分としては意外かつ不満です。
連投不可なのか左が続くのが理由かそれとも守護神禅譲に向けてソフトランディングを目論んでいるのか、もう少し様子を見ないと判然としません。
もしWストッパー的な回しを狙っているとなれば背景にあるのは八回を任せられる横山、ゲレーロの安定感にも思えます。
鈴木はまた先頭打者に140キロ台前半のおそらくストレートで不安な出足、フルカウントで柳田がミスショットをしなければ山川の同点アーチなんて恐怖になりかねず助かった、助かった、もし次を意識しての締め鈴木だったのであれば地元ではピシャリといってもらいたいです。
先発に白星を
西川の宣言どおりにスイープして、次は地元開幕カードです。
口先だけでなく同点の口火を切ったのは西川の3試合連続ヒットでルーキーで開幕からのそれは7年ぶり、あっと驚く菅野以来です。
菅野は4試合まで記録を伸ばしてしかしレギュラーには定着できず、西川はどこまで伸ばすか盤石なレギュラーになれるのか、興味は尽きません。
そして失点はエラー絡みで自責にならなかった小野のみでリリーフ陣が見事なピッチングもそろそろ先発に白星が欲しい、いよいよ石川柊の初陣です。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 1 | 2 | 7 | 8 | 2 |
ソフトバンク | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 9 | 0 |
◆3月30日(日) ソフトバンク−千葉ロッテ3回戦(ロッテ3勝、13時1分、みずほPayPayドーム、39,366人)
▽勝 木村 1試合1勝
▽S 鈴木 2試合1S
▽敗 杉山 2試合1敗
▽本塁打 正木1号(種市)、ソト2号(上沢)
▽バッテリー
千葉ロッテ 種市、木村、ゲレーロ、鈴木—佐藤
ソフトバンク 上沢、ヘルナンデス、杉山、尾形、松本晴—海野、谷川原