2022年通信簿 シーズン総括 投手

【2022年成績】 143試合 69勝73敗38S 3完投 14完封 15無四球 防御率3.39 1274回2/3 1212被安打 116被本塁打 413与四球 44与死球 1022奪三振

超投高打低のシーズンに上位の3チームは大きく防御率を改善させましたが、しかしロッテはその波に乗れませんでした。
数字だけを見れば被本塁打が大きく減って奪三振が増えて、そういう意味では状況に応じた数字にはなっていますがそこからもう一歩を踏み出せず、全体の数字もそうですが個々の投手の数字も打線との噛み合わせの悪さとも相まって満足のいくものではありません。
そんな中で佐々木朗を筆頭に多くの若い投手が出てくる一方でここまで投手陣を支えてきた30代前半の主力に衰えが見え始めて世代交代の時期を迎えているのでしょう、従来の実績に固執した起用ではその変化を乗り切れるとも思えませんので新たな体制でのチャレンジが求められます。

佐々木朗が輝く

吉井コーチの退任でしかし開幕してしばらくまではマウンドに向かうのは不思議にも清水コーチで、その後に木村コーチにバトンタッチをしましたが常に並んでの二人三脚は基本的には吉井ルールを守って過負荷をできるだけ避けた安全運転にも見えました。
逆に言えば色が見えてこず何のための交代だったのか、ことさら責を問うような事象はありませんでしたが裏を返せばそれは希薄な存在感です。
先発陣での特筆はもちろん佐々木朗で完全試合、次の試合も八回まで完璧と日本中の注目を集めるピッチングは超大器の評価に偽りは無く、過保護とも言われた何度かの抹消で規定投球回にも二桁勝利にも届きませんでしたが昨季のホップに続いて華麗なステップで来季の大ジャンプが期待されます。
ようやくの左のエースを確実なものにしたかった小島はしかし打線の援護の無さと勝負どころでの弱さで大きく負け越して、両輪となって欲しかった同級生の岩下も開幕直前の右肘手術で終盤戦での復帰は中継ぎとしてですから、この両投手が最大の誤算でした。
ベテランでは開幕投手の石川、最後にまくった美馬とトータルでは無難にこなして、本前と佐藤奨もそれぞれ課題を抱えながらも一歩ずつ前に進んでいます。
立場が危ういのは一軍に定着してから最低の登板数に終わった二木と序盤戦のエースながらも気性の荒さから長続きしなかったロメロで、吉井監督の帰還で二木は今すぐどうこうとは思いませんが来季もダメならヤバい、ロメロには逆に三行半を突きつけられるかもしれません。
リリーフ陣では益田が全てでしょう、これまでも何度か炎上することはありましたがその後に立ち直ったものが今季はズルズルと痛い失点を重ねて守護神の座をオスナに奪われて、そのオスナの去就は不明ですが残留となってくれれば初心に返って中継ぎでとなるのでしょう。
佐々木千、国吉が見事なまでに二年目のジンクスにはまって唐川は故障で出遅れて、東條と小野ではカバーしきれなかっただけに本人がどう考えるかはまた別問題ですが、チームとしては益田が八回にはまってくれるのであれば悪い選択肢でもありません。

配置転換があるか

益田だけではなく配置転換が悩ましいのは西野と岩下です。
現状の中継ぎ陣を考えれば西野と岩下を抜く余裕は無さそうな、ともに肘の手術明けで西野などは最後の最後まで連投を避けていましたから間隔をしっかり空けて先発で起用したくはありますが、フェニックスリーグで廣畑を先発させるなど吉井監督の「一度壊すのはセオリー」の対象になるのでしょう。
オスナが残ってくれたとしてもいつまでもというわけにもいきませんから次世代の守護神を育て上げる準備も必要で、ファンの期待が高い横山が二軍で足踏みだったところから反攻できるのか、岩下との声も高く、今季に安定感を増した小野も当然にその候補です。
先発陣では佐々木朗が正真正銘のエースになれるかどうかが一番の注目で、一足飛びで山本とは言いませんが防御率2点台での二桁勝利は必須です。
もう下っていくしかないであろう30代も半ばの石川と美馬の穴を誰が埋めるのかもポイントで、こちらもフェニックスリーグで抑えを任されたのでどうなるかは分かりませんが種市の完全復活が成るかどうか、河村はどうだ、ドラフトで即戦力投手に走るのか、投手陣に課題は少なくありません。

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