2022年通信簿 2 松川虎生

2 松川虎生 捕手 19歳 年俸1300万円

【2022年成績】 76試合 185打数 12得点 32安打 打率.173 5二塁打 0三塁打 0本塁打 14打点 1盗塁 18四死球 60三振 得点圏打率.220

ドラフト会議での入札もサプライズでしたが、高卒ルーキーのしかも捕手がいきなりレギュラー筆頭に躍り出たのもビックリでした。
それだけ他の捕手陣が不甲斐なかったとも言えますが、しかし二番手の佐藤都も躍進しましたのでやはり松川が秀でていたのでしょう。
史上3人目の高卒捕手開幕スタメンで完封リードデビューを果たし、佐々木朗の完全試合での19奪三振に引っ張られての20守備機会はNPB新記録、交流戦でのタイムリーは高卒ルーキーとしては球団初、オールスター戦にも高卒新人捕手としては史上初のファン投票1位で選出されて高卒ルーキーのヒットは史上5人目で最年少タイ、打点は清原、大谷以来の3人目は史上最年少に敢闘賞を受賞と記録ずくめの一年でした。
目標とした「一軍でスタメン」「高校の大先輩の益田さんとバッテリーを組む」「ZOZOマリンでお立ち台」も全てクリアして、そして開幕一軍登録をされた高卒ルーキーがシーズンで一度も抹消されずに完走したのは1989年の谷繁以来33年ぶりとなる快挙です。

おみそれしました

その谷繁に風貌がどこか似ている、口を開けていることが多く申し訳ないながらもあまり賢そうにも見えなかったのですが、「俺を超える」の谷繁や古田ら名だたる名捕手だけではなくあの落合までもが「もっと脚光を浴びていい」と誉め称える、そんな松川のルーキーイヤーでした。
ベテランの美馬や石川も「投げたいボールを要求してくれる」「これが18歳か」「高卒ルーキーか」と、佐々木朗に詰め寄る白井球審をさりげなく止めるなどの冷静な挙動にも「人生何周り目だよ」とその老練さが注目を浴びて、入札を決断した編成部と一軍に抜擢した井口監督には大ヒットでしょう。
そんな松川のストロングポイントはキャッチングで、春季キャンプのときから益田や小島が上手いと言っていたのは持ち上げかと思っていましたがどうしてどうして、手首が柔らかくしかし強固で際どいコースのボールにも微動だにせず、佐々木朗の160キロ超のストレートを軽々捕球するその姿は世間を驚かせました。
これまで意識をしていなかったミットの動きが目立った柿沼はきっと松川がビシッと止めているのを見たからで、つまりはリストが強いわけです。
ブロッキングも俊敏でバウンドしたボールには体で止めに行く姿勢を他の捕手にも見習って欲しい、本人も自信があるのでしょう、フォークやシンカーがあれだけバウンドし続ければ別の球種を選びそうなものが続けて要求する肝っ玉、そんなところもとても18歳には見えませんでした。

さらなる飛躍を

しかしルーキーという冠が外れる来季は勢いだけでは乗り切れません。
石垣島でのフリー打撃で「捕手では一番」とは井口監督でしたが打撃面ではアピールできず投高打低ではあっても率は身長にも届かず、右方向に上手いバッティングを見せることはありましたがしかし流したと言うよりは引っ張るだけの力が無いだけでしょう。
インパクトのときにややしゃくり上げると言いますか手首を返すスイングもその理由になっていそうで、しかし袴田がそうだったようなこねるような返し方ではありませんし、凡打でも打球に回転が強くかかっているのはこのスイングだからだと思われます。
そんなこんなで引っ張っての打率は1割にも満たず、本人も自覚があるようですがボールに押し負けないスイングがまずの目標です。
しかし安パイに終わらず結果的には三振でも打てないなりにファールで粘るなどの貢献はありましたし、満塁では3打数3安打7打点と勝負強さを見せました。
自慢の守備では強肩とされていましたが盗塁阻止率は上がらず、やや横手から出るスローイングの修正が入るかもしれません。
ただテイクバックが小さいのでいわゆる二塁送球の数値はいいのですからコントロールの問題も大きそう、そのあたりは追い追いにです。
心配なのは自信の裏返しなのでしょうが高めのボールを腕だけ伸ばすことがままあることで、ブロッキングでも腰が浮きがちになることがあり、おそらく疲れもあってでしょうがシーズン終盤には全体的に雑になって弾いたり股間を抜かれたケースが目立ちました。
それでも走者がいるときにはまた違った動きを見せますからよく言えばギアチェンジ、悪く言えば横着、優等生ではない大物感を漂わせる松川です。

【オリオン村査定】 1300万円 → 2000万円(△54%)

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