最初から最後までピンチの連続でしたので、あまり勝ったような気がしないカード後半の初戦白星です。
オリックスは17安打も4併殺とその拙攻に助けられた形になりましたが、ロッテも11安打で9四球ですから残塁合戦の紅白戦を見ているかのようでした。
西村監督の試合後のコメントもどこかで聞いたことがあるようなもので、オリックスもじわじわとロッテ化が進んでいるのでしょう。
よくよく考えてみればロッテ出身で他球団の監督を務めたのは毎日、大毎、東京であれば別当監督や西本監督、山内監督、大沢監督などがいますがこれがロッテとなると野村監督、レオン監督、牛島監督、落合監督、与田監督、そして西村監督ぐらいで、野村監督や与田監督はロッテに所属をしていたなどと誰が覚えているのか、レオン監督と牛島監督は半々ですし落合監督はそれよりも短く、ロッテ一筋の生え抜きは西村監督だけです。
これはまるで他球団がロッテ化を恐れているかのよう、オリックスファンがババを引いたと嘆くのも分からないでもありません。
生え抜きが尊ばれるNPBですのでこの傾向は他球団も似たようなものですから、あくまでネタ、ここもそうだあそこもそうだとの突っ込みはご容赦ください。
よくもまあ打たれたものだ
石川は7回97球1失点だけを見れば素晴らしいHQSですが打たれも打たれたり12安打、よくぞ1失点で済んだものです。
オリックス投手陣とは対照的に無四球だったからこそでもあり、これだけ打たれれば六回はおろか五回で100球に達してもおかしくはないところでの省エネピッチングはもちろん併殺祭りもありますが、オリックス打線のやたら早打ちにも助けられました。
その全てが5球以内で初球打ちが5度もあり、石川での3イニング連続併殺はいずれも先頭打者を許しながらも二球目、初球、初球となれば笑いが止まりません。
それだけゾーンで勝負ができていたと言えなくありませんが井口監督の「うまくゴロを打たせていた、ああいうスタイルに変わりつつある」は後付けにしても、石川の「ある程度のところに投げられれば、内野ゴロを打たせることができるかなと思っていた」にはこれが強打の楽天や西武、ソフトバンクを相手に通ずるかどうかに疑問はありますが、無理に三振を狙わずに軽く投げているようには見えました。
これがたまたまだったのか狙いどおりだったのか、後者であれば次に日本ハムを相手に極めてその次のソフトバンクに臨みましょう。
5点リードで楽勝かと思えば陳冠宇があっという間に無死満塁のピンチを招いて緊急登板だったであろう益田は、押し出し、タイムリーでさらに無死満塁の絶体絶命から三番、四番を抑えての通算100セーブは史上33人目、100ホールドとともには史上5人目の快挙です。
「どきどきさせて申し訳ない」とは2失点のことなのでしょうが、それよりも打球を捕ってのホーム送球がふわりと浮いたことにドキリとさせられました。
河本の95セーブは既に抜いて次の目標は牛島の126セーブ、小林雅の228セーブは遠いですが180セーブでの10傑入りは3年もあれば無理な数字ではありません。
嬉し恥ずかし二桁アーチ
昨季に白星を献上して防御率2点台の地元出身榊原は有力なキラー候補だっただけに、3回6安打4失点でのKOにホッとしました。
先制弾の井上はこれで3年連続二桁アーチは国産砲では井口以来ですから6年ぶり、当然に狙うは24発超えでのそれとなれば初芝以来の20年ぶりとなります。
その先にはもう落合しかいませんし30発に届けばそれもそう、ロッテのレジェンドに名を刻む絶好のチャンスを逃す手はありません。
逆に言えばそれだけ竹槍打線が続いていたわけで、井上はまだ負けていないと四番を諦めていないでしょうがここは四番安田を育てる五番に期待します。
大きかったのは1点で終わらずに追加点を取れたこと、ジョーンズの拙守にはありがとうの言葉を贈ります。
マーティンもそうですがこれほどメジャーでの数字があてにならないのは誤算でしょう、4度のゴールドグラブ賞が泣くもたもたな動きでした。
逆らわないバッティングが戻りつつある田村がセンターに2本のタイムリーも下位に厚みが増しますので喜ばしく、明日は有吉ではなく前回に炎上した二木には驚きましたが今季はここまで田村とのバッテリーでしたので、治療に入った左膝が心配ですが上手くリードができれば柿沼の背中も見えてくるでしょう。
治療というところでは六回で中村奨が引っ込んだのが気掛かりで、展開からして何もなくの交代は考えられないためにファールフライを打ち上げたときに手首でも痛めたのか、ここのところ調子が上がってきていますので何事も無いことを願います。
代わった茶谷が移籍後初ヒットを放ちマーティンがアーチをかっ飛ばしましたので、理由はどうあれ試合に影響が無かったのが幸いでした。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
千葉ロッテ | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 6 | 11 | 0 |
オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 3 | 17 | 1 |
◆8月7日(金) オリックス−千葉ロッテ10回戦(ロッテ8勝1敗1分、18時1分、京セラドーム大阪、4,292人)
▽勝 石川 8試合2勝2敗
▽S 益田 19試合1勝2敗12S
▽敗 榊原 6試合1勝2敗
▽本塁打 井上10号(榊原)、マーティン9号(齋藤)
▽バッテリー
千葉ロッテ 石川、唐川、陳冠宇、益田—田村
オリックス 榊原、荒西、吉田凌、齋藤、小林—若月