竜とそばかすの姫

昨年3月以来の、ぴたり500日ぶりの映画館です。
新海誠とともに長編アニメ界を引っ張る細田守の最新作ですので夏休みということもあり平日でも混雑をするかと危惧していましたが、ちらほらガキんちょの姿はありましたが朝イチということもあってかさほどでもなく、無事に前後左右に空きがある席をキープできました。
球場観戦をしている身からすれば今さらながらも密閉空間だけに気にはなりましたが、400席を超える大シアターでもあり満員電車よりはきっとマシでしょう。

メッセージ性が強い

これまでの細田作品に比べると、メッセージ性が強いように感じられました。
幼くして母親を亡くした主人公が殻に閉じこもり、父親との距離に悩み、そんなときにひょんなことから「U」なる仮想空間に足を踏み入れます。
そこでとんとん拍子に歌姫として世界の注目を集めますが乱暴者として忌み嫌われる竜との出会い、現実社会での葛藤、が描かれています。
その中でスクールカースト、ネット社会での無責任な発言、虐待などがちりばめられていて、面白かったと言うよりは考えさせられた作品で好き嫌いは分かれそう、娯楽作品だと思って観るとガッカリするかもしれませんが自分的には前回作よりはよかったですし、記憶にも残りそうです。
今となれば珍しくもない仮想空間を舞台にしていますが、やはりそこを舞台とした「サマーウォーズ」が2009年の作品と考えると時代の先端を行っているのかなと、ただその「サマーウォーズ」にどこか似ているのと「美女と野獣」を想起させるシーン、あるいはプロローグが「FINAL FANTASY X-2」や「ONE PIECE FILM GOLD」と同じ展開なのが引っ掛かったりもして、その切り口で批判されるようなことがあるかもしれません。
そして相変わらずにメインキャストに本職の声優を使わないのは勘弁で、達者な方も少なくなかったですが前々回作に続いて役所広司にはげんなりです。

2021年7月19日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

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