つま先ピリピリで踏ん張る

勝たないとV逸決定、という土俵際ギリギリのところで踏ん張りました。
得点の割には長い試合時間はほとんどが相手の攻撃という不利な展開で逃げ切れれば最高でしたが、モイネロを、記録大好きニッカンによれば来日から155人目で初めてホームランを放つという嬉し恥ずかしの中村奨の一発で攻略しての延長戦勝利ですから悪くもありません。
本前vs和田という不利なマッチメイクを、ともに白黒は付きませんでしたが制したのは大きい、こうなったら二木に不安はあれど板東に負けるわけにはいかず、二木にはかつてのキラーぶりを思い出してQSを、そして打線は序盤から攻略して明日も藤本監督のリリーフ祭りを引き出しましょう。

そう、その気持ちだ

初回には和田に誘い出されて、四回には判断に迷ったかのような中途半端な走塁で三塁憤死、八回は一打同点のチャンスに凡退と悔しい思いを重ねた高部が、十回に決勝の2点タイムリースリーベースにセカンドが深いところで捕球した内野フライで果敢にホームインと一気に取り返しました。
ミスをするとどうしてもそれ以上にミスをしないようプレーが小さくなりがちなところでやり返す、「走塁ミスを取り返してやろうと思っていた」「次こそと思っていた」は井口思想に反しているのでしょうが、そんな気持ちは大きな財産ですので失わずにいてもらいたいです。
その四回の高部のミスを挽回するような安田の一発は左腕から引っ張ったロッテファン涙もので、キャリアハイの9発目に「あと一本」ではなく「山口に追い付き追い越す」ぐらいは言って欲しかったですが、そこは欲を出しすぎずに型を重んじているのだと思うことにします。
中村奨も土壇場で甘いボールではありましたが巻き込むようなドンピシャのスイングは見事でした、こちらも覇気と言いますか前向きな思いが表に出てこないタイプですが内に秘めたる闘志はあるはず、「恩師」の続投がほぼ決まりで恩に報いるためにもせめて2割6分台に乗せて終わりましょう。
とは言えその九回の中村奨の同点アーチまで僅かに3安打でしかない情けなさよ、四球が絡めば十回のような攻撃はできるわけで、つまりは力不足です。

本前は頑張った

本前は3回44球ではあっても中4日という無計画としか思えない先発でしたが、5回途中までを1失点と粘りのピッチングでした。
あそこまでいけば勝ち投手の権利まで投げさせればいいのに、と思わないでもなかったですが、先日の佐藤奨と同じく無理を強いても我慢はしないと言ったところか、まだ数字的にはリーグ優勝もCSも可能性があるだけにそちら優先となるのは井口監督だけに仕方がありません。
ピッチングとしては本前らしく制球がままならないかと思えばズバッと手の出ないところに投げ込む不思議ちゃんで、毎回のように走者を背負いながらもデスパイネの一発のみに抑えたのは飛翔王なのでそういうもの、持ち味を出せたのではないかと思います。
唐川が3試合連続被弾で抹消されてさらに苦しくなった継投は西野がいきなりツーベースを浴びて松川の判断ミス、あの走者の位置であれば偽投で牽制してからの送球で間に合ったものが無死三塁のピンチから三者凡退で切り抜けて、しかし頼みの東條が躓いてしまいました。
流れ的に一番に打たれてはいけない柳田に手応えばっちりでホームラン歩きの痛恨の被弾で、打つ手が無くなりつつあるリリーフ陣です。

オスナにおんぶにだっこ

引っくり返した十回はもう益田しかいないのかと観念したところでオスナの来日初のイニング跨ぎ、完全におんぶにだっこです。
九回は唯一の被弾かつ2安打を浴びているデスパイネが気持ち悪かったですがキッチリ仕留めて、2回を22球と貫禄のピッチングでした。
登板間隔が空いていたにせよ「勝ち越したらもう1回行くと言ってくれた」が自らの決断が足りていないことをゲロしているとは気付かない井口監督のコメントはさておき、もうオスナ抜きのロッテなどは考えられない、それぐらいに存在感が爆発です。
DVが懸念されて干されているとも言われているメジャーが翻意しての復帰となれば手も足も出ませんがNPBでの流出は絶対に避けたい、しかし9000万円と伝えられていますから70万ドルは約半年ですので150万ドルをベースに考えればロッテがどこまで出せるかでしょう。
レアードとマーティンの資金があるのですからそれでダメならと諦められる300万ドル+出来高ぐらいは、できれば2年契約を提示してもらわねばなりません。

明日への活力に！

◆9月23日（金）　ソフトバンク−千葉ロッテ21回戦（ソフトバンク12勝9敗、18時、PayPayドーム、34,563人）
▽勝　オスナ　27試合4勝9S
▽敗　松本　40試合5勝1敗
▽本塁打　安田9号（和田）、デスパイネ12号（本前）、柳田22号（東條）、中村奨12号（モイネロ）

▽バッテリー
千葉ロッテ　本前、岩下、西野、東條、小野、オスナ—松川、佐藤都
ソフトバンク　和田、甲斐野、津森、藤井、モイネロ、松本、嘉弥真—甲斐、海野