井口王朝の強化か否か

来季のコーチングスタッフが発表されました。
鳥越ヘッド兼内野守備コーチが二軍監督に転出し、後任は入れ替わりで今岡ヘッド、そして新任の森脇野手総合兼内野守備コーチとなります。
その他では堀二軍打撃コーチが育成総合兼打撃コーチに、楠コンディショニングディレクター兼育成統括の名前が無いのでこちらは堀コーチの育成総合からして退任なのか、そしてサプライズは育成投手コーチに就任の大谷で、新庄と同じく一週間でケリをつけたのでしょう。
戦力外通告のときに打診があって、それを明らかにすればオファーの可能性が潰れるので明かさないままに声がかかるのを待ったのではないかと想像します。
もしそうであれば内にはどういうアプローチだったのかが気になりますし、細谷、あるいは三家の今後はどうなるのか、まだオフは始まったばかりです。

鳥越二軍監督

今回に一番の驚きは鳥越二軍監督です。
既に報じられてはいましたが半信半疑だったのは井口監督が三顧の礼でソフトバンクから引き抜いただけに井口政権の肝であり、一部には影の監督と噂されるぐらいにチームに影響力を誇っていたからで、これが井口監督主導なのか球団主導なのかで見方がガラッと変わってくるでしょう。
もし前者であれば同じ井口人脈ではあっても主従の色合いが濃いホークス系とは違って盟友関係の今岡監督の二軍に支配を広げるという意味合いでの井口王朝の強化であり、そうであれば一軍の野球スタイルが二軍にも広がることになり期待よりも不安が強いのが正直なところです。
今岡二軍監督のあれこれ口を出すのではなく選手がやりやすい環境を整えることを第一に自分で考えることを求めるスタイルは吉井コーチ、小野コーチと同系列で頼もしく思っていただけに、これはイメージでしかありませんが強権な鳥越二軍監督が吉凶どちらに出るかでチームの将来を左右しかねません。
昨季の安田、今季の藤原と指定強化選手を実戦で鍛えたのがチームとしての方針であればそこは変わらずに例えば次は西川などソフトランディングとなるかもしれませんし、一軍で安田の守備を鍛えたように陣頭に立って率いていく鳥越二軍監督のやり方も成果を出していますのでどうなるかを注目したいです。
それとは真逆な視点で見れば脱鳥越で井口監督が一人歩きを始めるための施策と考えられなくもありません。
指導者経験の無い井口監督としては自身を支える存在として迎えたものの三年目となれば経験を積んで独り立ちを考えてもおかしくはなく、一年目は石垣島で常に二人でいたものが二年目以降にベンチ内でもやや距離があるように見えたりもして、肩書きがコロコロ変わっていたのも気にはなっていました。
安田への指導が評価されて二軍にもと報じているところもありましたが評価をしているのであればまだ発展途上のその安田から引き離す理由がありませんし、もし鳥越二軍監督が井口体制が続く中で退任することになればおそらくはそういうことなのでしょう。
一方で後者であれば自分的には福浦監督への繋ぎと言ってしまうと申し訳ないのですがポスト井口としての今岡監督に期待をしているのでそれに向けての布石となれば願ったり叶ったりで、一二軍ともに監督が退いたところにヘッドが昇格となればすんなりと道筋が見えてきます。
今岡監督を支えるのは監督経験もある森脇ヘッドという構図もその招聘をスポーツ紙では井口監督とかつての上司部下と結びつけていますがそうではなく球団主導であればなおさらで、井口監督からすればかなりやりづらくなるのではないかと、それで起用法などが変わってくれば期待が高まります。
もっともAクラスのシーズンオフに球団と現場の力関係が逆転するとは考えづらいので後者の可能性は低そう、もし井口監督の要望での森脇コーチであれば前者のうちの独り立ちを推したくもなりますがこればっかりは想像の域を出ませんのでタブロイド紙のそれと似たり寄ったり、このあたりで手仕舞います。

河野打撃コーチ

ガッカリの一番はもちろん河野打撃コーチです。
貧打の原因の全てが打撃コーチの責任ではありませんが外から見る限りでは機能しているとはとても思えず、発信力にも欠いています。
秋季練習で安田にあれこれ指導をしているのが報じられましたから留任の覚悟はしていましたが、その安田への3割20発指令は井口監督によるものにしてもそれを実現するためのプランを持っているのか、そもそも今季の安田の数字から一足飛びの目標はファンが夢想するレベルと何も変わりません。
きちんとマイルストーンを設定して着実に一歩ずつ前に進んでいくのが安田の性格にも合っているように思えますし、森脇コーチはノックの名手の印象が強いですがここは野手総合の肩書きで打撃部門の主導権を握ってもらった方がよいのではないかと、伊志嶺打撃コーチ補佐の可能性に賭けるのもありです。
意外や意外に新たな顔を見ることができるのか、早々にブーイングが鳴り響くのか、来季のチームの鍵を握るのは河野コーチの「立場」としておきます。

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