タイムリーを打てずに勝つとしたらこんな野球ぐらいしかないのだろうと達観してしまう、悪い意味での普段着野球で先勝です。
ほぼホームファンに占められたスタンドで応援するロッテファンはヒリヒリする展開に痺れたことでしょう、映像越しで見ているこちらがそうでしたから、うん、勝ててよかった、パシフィックのさらなる繁栄には新庄監督の続投が望ましくそのためにはやり残した感がある1stステージ敗退が必須です。
リーグのためにもさくっと連勝して福岡行きのキップを手にしましょう、コストがかかるパブリックビューイング開催に球団は渋い顔かもしれませんがそれこそ入りきれずに球場外にも人があふれるかも、行かないけどね、三戦目までもつれて日本ハムを稼がせる必要はありません。
さて、明日の一面はどうなる、大谷が打てなくてもドジャースがリーグ優勝決定シリーズに進出したことでそれで埋め尽くされるようなことになれば世も末です。
好投手佐々木
佐々木が8回5安打零封で3度目のポストシーズン登板で初勝利、通算17イニングで1失点は自責ゼロの快投です。
ハッキリ言ってピッチングとして完全試合を彷彿させるような「ザ佐々木」ではなく物足りなさが無いと言えば嘘になって、しかし大舞台で粘り強く試合を作った「好投手佐々木」だったのは間違いない、初戦のプレッシャーもあったでしょう、満点の二重丸をあげます。
言うなればこちらも普段着ピッチングでストレートが150キロ台後半でシュート回転しがち、組み立てとしてはスライダー頼り、コントロールはばらけ気味で紙一重なところもありましたがこれでシーズン終盤に白星を重ねての二桁勝利で一つの形になりつつあるのかもしれません。
メジャー関係者にこの佐々木がどう映ったかは分からず、まあどうでもいいや、このオフに海を渡ることになれば大義名分、置き土産な白星となりました。
立ち上がりにいきなり歩かせてどうなることかと思いましたがありがとう浅間、あの盗塁死はやや一塁側に逸れた佐藤の送球を友杉が上手く追いタッチしてヘッスラじゃ避けるような動きはできないよね、次も歩かせただけにあそこで1つ目のアウトを取れたのが大きかったです。
その後は万波に痛烈に捉えられたりレイエスに上手く拾われたりもしましたが七回に内野ゴロで走者が進んだのが唯一の得点圏、八回の球数が少なければあるいは完封狙いもあるかと思いましたが112球での交代は妥当でしょう、どこまで本音かは分かりませんが七回で終わりと思ったとはお立ち台での佐々木です。
普段着じゃない継投
ワンチャンで引っくり返される2点リードでの最終回は鈴木、益田のリレーでした。
こういった継投は普段着ではなく珍しい、さして左を得手としていない鈴木がさして左を不得手にしていない清宮を抑えて益田の負荷を減らして、益田は池田や齋藤に触発されたかストレートのゴリ押しでこちらも普段着じゃない、ともあれ防御率12.60にしては見事なセーブです。
それほどさすがと言えるものではありませんがファールフライに腕を伸ばして捕球した茶谷、前に落ちるかの打球をスライディングキャッチの愛斗と守りを固めてそこに打球が飛ぶあるあるもチームに追い風の気配で、この風を逃さないよう、とにかく鍵を握るのは野手、打撃陣です。
二発で勝った
佐々木とすればもっと援護点が欲しかったでしょうが、その打撃陣は普段着野球が全開でした。
初回から3イニング続けて先頭打者が出塁するも送らない、走者を進められないといつもどおりで、五回以降は得点に繋がらずも3犠打でその重要性が分かっていないわけではないでしょうが短期決戦の1点、先制してリードする大切さを考えれば自分的には不満だらだらです。
初回も自分なら藤岡にバントでしたし三回は荻野にだってそう、もし負けていたら最大の敗因になったでしょう。
そんな打線は荻野、藤岡にレギュラーシーズンでは一度も三番が無かった岡と加藤貴との相性を考慮して上位に並べたかと思えば、やはり打っている小川ではなく友杉という右左教も垣間見せて、フュージョンと言ったところか、そしてあと一本が出ない勝負弱さは相変わらずでした。
そうなると値千金の中村奨の先制アーチ、貴重な追加点となったポランコのアーチとこういった点の取り方しかできず、しかし効果的、いずれも映像を見る限りではギリギリでそういう意味でもドームに風が吹いていて、この風を逃さないよう、どうせまた打順をいじるのでしょうが控えめにお願いします。
それにしてもどん詰まりの打球が多かった、そこそこ打たれるも要所を締めた加藤貴はこちらは普段着ピッチでそれだけに痛恨の2被弾を悔しがっているか郡司とともに内心ではピーナッツ魂と叫んでにんまりとしているか、この二人とチャンスにミスりまくった松本剛がロッテにとっての立役者でしょう。
ソトを茶谷に、荻野を愛斗に代えたのだから中村奨の守備固めでなぜ安田を使わないんだと思ったらベンチ外じゃねーか、ビックリしました。
記録も追い風
さて、記録大好きニッカンです。
佐々木の17イニング連続自責ゼロは山本に並ぶタイ記録、これを更新して海を渡るのかそのチャンスすら無いままに終えるのか、注目です。
ソロ2発で2-0での勝利が史上初とは球界としてなのか球団としてなのか、あまりあるケースでもないでしょうから球界初と前向きに考えて、さらにはポストシーズンでの継投での完封勝利は1977年の八木沢-三井のリレーまで遡らなければならないってどんだけよ、47年ぶり2度目の快挙でした。
そして何より1stステージ初戦勝利は突破確率86%で1stステージにはやたら強いロッテはこれまで8度とも突破している、てか、そもそも1stステージでの敗退が1度しか無い、ホームだろうがビジターだろうが幕張謹製の強烈な追い風が吹いている、その風を掴んで一気に明日で決めましょう。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0 |
日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |
◆10月12日(土) 日本ハム−千葉ロッテCS1stS第1戦(ロッテ1勝、14時、エスコンフィールド、37,553人)
▽勝 佐々木 1試合1勝
▽S 益田 1試合1S
▽敗 加藤貴 1試合1敗
▽本塁打 中村奨1号(加藤貴)、ポランコ1号(加藤貴)
▽バッテリー
千葉ロッテ 佐々木、鈴木、益田—佐藤
日本ハム 加藤貴、池田、齋藤、河野、山本拓—伏見、田宮