涙の井上

なかなか動きのあるところにピントを合わせるのは難しく井上を確認できるだけでも自分的には上出来、中央で両手を広げてガッツポーズは益田です。
初回に石川が浅村の次に打たれてはいけない、と言うよりは心情的に打たれて欲しくない鈴木大にいきなりの先制アーチを浴びて二回には下位打線に追加点を許し、一方で貧打線は則本昂に4者連続三振で始まり五回まで中村奨の2安打のみ、完全な負け展開だっただけに価値あるサヨナラ勝ちです。
逆に楽天は牧田、ブセニッツで掌中の白星を取りこぼしただけに相当なダメージなはずで、これで明日に涌井を潰せばCS進出がかなり濃厚になるでしょう。
その刺客として三戦目と思われた陳偉殷が明日に初陣、ソフトバンクが山本に千賀を回避したのと同じく小島には涌井よりも岸と考えたものとも思いますが、ソフトバンクが笠谷で山本を下したのですから陳偉殷だっていけるはず、弟分の陳冠宇がいい露払いをしましたので日米95勝の貫禄を見せてください。

久々の逆転のM

逆転勝ちが久々というわけでもありませんが、これほどの逆転のMは久しぶりです。
打線は佐藤の代わりに同じルーキーの高部を二番に抜擢しただけの微調整で臨むも則本昂に手も足も出ず、頼みの四球も選ぶことができず、なぜか今日は則本昂に合いまくっていた中村奨が早々にヒットを打ちましたがそれが無ければまたノーノーを心配しなければならないところでした。
六回にしてようやくの攻略のきっかけが楽天を戦力外となった西巻で、そしてサヨナラのホームを踏んだと言うよりは鳥谷ライクに不必要なヘッドスライディングの福田秀は楽天との争いに勝って獲得をしたのですから痛快でもあり、ただの1勝をはるかに超えるやってやった感があります。
その西巻、一打席目の三球三振から二打席目はファールで粘り三打席目に内を突くストレートをはじき返して試合中に進化を見せた藤原の連打に高部がきっちりと送っての一死二三塁にクリーンアップで内野ゴロの間の1点しか取れなかったのはあまりにしょぼかったですが、この1点が流れを変えました。
中村奨が3安打目の一発で1点差に迫り、またしてもヒットの次の打席に代打を出される西巻が不憫でしたが今日に昇格の加藤がツーベースで藤原がバントをミスるも高部の進塁打で三塁に、楽天ベンチからすればここで牧田のワイルドピッチは思いもよらなかったでしょう、これが流れというものです。
いよいよの九回に中村奨の4安打は成らずも福田秀がレフト前に運び、そして井上が右中間を破る殊勲のサヨナラツーベースです。
セカンドベース上で既に泣いていましたからお立ち台まで泣き続けたのか、それだけここまでの不振に忸怩たる思いがあったのでしょう。
正直なところ他の打席もそうですしこの打席でも不振を抜け出す足掛かりになるスイングには見えませんでしたが、時折ではあっても打球が本来のコースに飛び始めたのはいい傾向ではないかと、マーティンにもヒットが出ましたのであとは今月にまだ4安打でしかない安田待ちです。

髭の石川は最低限

昨季と同じく七変化な髭でそのうちにどこぞの教祖になってしまいそうな石川は、実は守りでも殊勲だった井上や福田秀に助けられたところはあったにせよ尻上がりに調子を上げての7回3失点ですので先発としての責任を最低限は果たしてはくれましたが、やはり物足りなさは否めません。
大事な一戦に先制、追加点をあっさりと奪われるとは本人にそんなつもりはなかろうと、チームの士気を奪うに充分すぎる蹴躓きでした。
それでも中盤に立ち直ってテンポがよくなったことがその中盤以降の反撃をもたらしたとも言えますので、石川の粘りも勝因の一つでしょう。
そして1点ビハインドでは唐川も澤村も使わない吉井コーチの胆力、その徹底ぶりは見事で、もちろん最終コーナーになれば鞭を入れて違った起用にはなるのでしょうがここはまだその段階ではない、かつ、最後まで走り抜くためにも中継ぎ陣の底上げを意図しているように思います。
ピンチを招くも先頭を出さなかったことで傷口を広げず、ファールで粘られても屈することなく投げ抜いた陳冠宇がその期待に応えられたのが喜ばしいです。

佐々木朗の抜擢には反対

余談になりますが、今日の機関紙は佐々木朗が一面でした。
秘密兵器としてのデビューに井口監督もまんざらではない、との論調でしたが、自分的には全く賛成できません。
もちろん佐々木朗が実戦で投げるところを見てみたくはありますし話題にもなり、もし期待どおりに抑えることができればチームにとっての追い風にもなるでしょうが、ただでさえ一軍に帯同し続けてルーキーがやらなければならないタスクをこなすことなく、それでいて二軍で1球も投げることなく一軍となれば表立つことはなくとも内心では面白く思わないチームメイトも出てくるでしょうし、何よりそういった特別扱いは佐々木朗のためにならないと考えます。
もちろん素質のある選手に目をかけることはありますし、あって当然とは思いますが、ものには限度があります。
現状は二軍で試運転ができる状況ではないにせよ、佐々木朗のためにも、組織として体を成すためにも判断を誤らないよう願わずにはいられません。

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◆10月13日(火) 千葉ロッテ−楽天19回戦(楽天12勝7敗、18時1分、ZOZOマリン、8,684人)
▽勝 益田 44試合3勝2敗29S
▽敗 ブセニッツ 39試合1勝2敗17S
▽本塁打 鈴木大4号(石川)、中村奨8号(則本昂)

▽バッテリー
千葉ロッテ 石川、陳冠宇、益田—田村
楽天 則本昂、牧田、ブセニッツ—足立、下妻

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