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インフェルノ
角川書店
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ロバート・ラングドンシリーズの第四弾です。
紙の書籍は上中下巻ですが合本版の電子書籍はボリュームが凄い、ただでさえ読む機会が少ないため3ヶ月以上もかかってしまいました。
しかもとにかく登場するもののほぼ全てに知識が無いのでその度に調べるという手間もかかって、しかしその手間をかけただけのことはある大作です。
もう10年近く前に発表された作品ですが内容としてはコロナを思い浮かべてしまう人もいるでしょう、人類の選択が問われます。
結末がね･･･
ハーバード大学のロバート･ラングドン教授がキャンパスにいたところで記憶が途絶えて、気が付けばフィレンツェにいるところから話が始まります。
そして何者かに襲われて追われて逃げるうちに否が応でも大きな事件に巻き込まれていく、シリーズだけあっていつものお約束です。
メインを彩るのはダンテの神曲でそれを足掛かりに遺伝子工学の天才が仕掛けた人類存亡の危機に立ち向かっていく、それでいてハイテクばりばりで、とにかくテンポが速いですし登場人物の敵味方がめまぐるしく入れ替わって誰が味方で誰が敵か、最後まで手に汗握る展開でした。
いわゆる謎解きについては神曲を知らなければ、いや、知っていても普通であればお手上げでしょう、買ったまま観ていないBlu-rayでそこをどう表現したかが気になりますが、それよりもテーマとして掲げられている人口爆発への対処をどう考えるかです。
あれだけ恐怖感を煽りながらも結末が拍子抜けと言いますか答えを読者に考えさせる終わり方がもどかしくはあり、しかし著者が結論づけられるものではなく大風呂敷を広げた挙げ句に手仕舞い損ねたわけでもないとすれば、コロナと向き合っていく一つのきっかけにはなるかもしれません。
2022年11月11日 読破 ★★★★☆（4点）
