開幕スタメン争いは佳境

試合内容としても出場選手としても昨日より今日の現地がよかった、もっともさほどではなくも間断なく降り続く雨に撮影環境としては最悪で微妙ではあります。
さておき開幕まで半月余りとなって、先日の富山らに続いてこの段になっての大下が疑問だったりはしますが、開幕一軍、スタメン争いが佳境となってきました。
シンプルに結果のみでなく吉井監督なり金子参謀なりの恣意的なチョイスが発動しそうではあれ、選手たちには正念場です。

ベテラン投入

まず外野陣、よほどでなければ西川と高部は鉄板ぽく、残りは一枠です。
そこを藤原と岡が争う構図か、故障で出遅れていた藤原となかなかヒットが出なかった岡がともに調子を上げてきました。
藤原は吉井監督のお気にですし一方で岡も大器晩成の流れを断ち切るに未練があって、ベンチには悩むところでしょう。
志向していたフォーム改造は追い込まれたときのすり足がやや腰高になったぐらいで落ち着いた藤原がそんな構えでも深々と右中間を破るスリーベースを放って、昨日に一発を含むマルチだった岡は欠場で広島ではおそらくスタメンでしょう、ギリギリまでこの二人の競い合いになりそうです。
ここにきて投入されたベテラン勢は角中が連日のヒットに打ち取られた一打席目もライトにいい当たりを放って、石川慎も中身のあるライトライナーでした。
長打が増えても安定感の無い西武チックな愛斗はこの二人がスタメンだったときのサポートがメインになるかな、結局は今季も足を使わない野球には不適合の和田、調子が上がらない山口は教育リーグのまま二軍スタートでもおかしくはなく、来週も姿を見せなければ荻野もそうなるでしょう。
打てないときがからっきしな山本も苦しい、現状では登録だけのポランコを除いて藤原、西川、岡、高部、愛斗に角中と石川慎のどちらかもしくは両方が一軍で開幕スタメンは西川、高部、有原に9打数3安打と相性のいい藤原で、レベルはともかくいつのまにか選択肢が多いアウトフィルダーです。

混沌

内野シャッフルが失敗に終わった内野陣は、混沌としています。
まず間違いないのはファーストのソトぐらいで、他のポジションは壮絶な譲り合いです。
セカンドは藤岡の故障離脱で中村奨がメインとなっていますが徐々にセンター中心のバッティングが上向きつつあってもオープン戦の打率は2割ちょいでしかなく守りもかつてのキレは無く、予想外に機敏な動きを見せる宮崎をもう少し試したい、しかし一軍合流が近いであろう藤岡vs中村奨は動かないでしょう。
サードはこれまた吉井監督のお気にっぽい上田が2割5分程度でも連日にヒットを重ねて、しかしやっと安田にも当たりが出始めました。
守りは明らかに安田＞上田で今日はスタメンの上田がマルチも1本目は結果オーライで途中出場でヒットを打った安田とほぼイーブン、それでも上田が濃厚です。
困ったショートは友杉偏重が続いていましたが打てなかった安田よりも打てず体重にも満たない低打率に守りでもミスが少なくなく、今日の小川はラッキーヒットでしたが2割7分台に乗せて初回にいきなりファインプレー、その後に悪送球がありましたが似たような打球できっちりと修正しました。
小川には打てなくても小技で揺さぶる引き出しがあって、さりげなくチームはおろか12球団でトップの5盗塁は走らない野球でも大きな武器です。
控えは石垣が茶谷を駆逐して、外野との配分にもよりますが一軍がソトに加えて友杉、安田、藤岡、中村奨、上田、石垣、小川で宮崎が残れるか立松の無理矢理があるかどうか、人数的には二人ともダメもある、開幕スタメンは上田ラブ、友杉ラブが無ければやはり有原との相性でソト、藤岡、安田、小川となります。

抜擢あるか

怪我が無ければ佐藤に揺るぎはありませんが、現時点で実戦に復帰していませんし練習を始めたとの話も聞こえてきません。
捕手陣がダメダメであれば無理をさせる可能性を否定できませんが何だかんだ言っても田村がいて、そしてここにきて寺地が急浮上です。
今日も先日の焼き直しのような内を最後は腕一本で押し込むタイムリーを放って、あのスイング軌道だとツボにはまらない限りは一発はあまり期待できませんが率は残せそう、打ってなんぼの里崎ロジックでいけば開幕マスクは充分にあって次の小島と組むことになれば抜擢となりそうです。
あと二人は田村と松川、この枠に立松をぶちこむリスクを負うほどに縛りがあるとは考えたくもなく、佐藤次第を除けば衆目の一致するところでしょう。

西野vs田中晴か

開幕ローテは開幕投手の小島、種市、石川柊、ボスまでは決まりでしょう、4月の一週目を除けばGW後半まで週5試合でそこまでの残り枠は1つです。
五人目は田中晴を強烈に推したいですしそれに相応しいピッチングを見せていますが、今日に西野が待ったをかける5回4安打1失点です。
本人はフォークに手応えを口にしていましたがそこまでとは感じられずそもそもそんなに投げていませんし、高めに浮くボールもあり、しかし走者を背負いながらも併殺で仕留めるなど老練さに加えてフォークよりも多かったカーブがよさげでローテでぐるぐる回したくもなります。
現実的には本人が中6日を希望しながらもベンチが慎重な西野と100イニングが上限の田中晴を組ませての1枠で、週6試合になったときにこの二人に中森、調子を上げていればサモンズ、唐川、石川歩、消息不明ながら美馬と多士済々、いつまでも狸が踊り続ければこちらの心配は大してありません。

伏兵

そこにすぐではなくても殴り込みをかけるのが木村です。
先日もそうでしたが基本は二軍で修練としながらも使うのは吉井監督にかなりの思い入れがあると見てよいでしょう、今日は2回3安打零封でした。
不運な打球もあっての一死満塁を無失点で切り抜けていい経験にもなって、昨季に見た木村はそれなりの球威、キレ、コースでも軽々と運ばれて球質の軽さを懸念しましたがここまでは押し込めていて、順調にいけばきっと誰かしらが離脱するであろう夏場以降のデビューはありえます。

不安

リリーフ陣は不安です。
守護神は名球会が目前の益田で始まるのは間違いありませんが、このオープン戦でも衰えが隠せていません。
継ぐ候補としてはまず鈴木、そして横山、もしかしたら菊地と指折れますが、筆頭候補の鈴木の今日がやばい感じでした。
藪田も指摘していましたがストレートが走らず130キロ台前半で二人目の初球のそれで寺地が諦めたのか以降は変化球ばかり、レイエスでまたストレートを使うも130キロ台後半しか出ず次の打者ではまた変化球になって、前回登板はどうでしたっけ、次もこんなだと緊急事態です。
雨の影響やガンが正確でなかったなんてのは140キロ台後半を連発した木村で否定されて、とにかく次、次で不安が払拭されると信じましょう。
前回の汚名返上としたかった中村稔は二死から被弾という悪癖を繰り返してこれだと生き残れない、先発6、リリーフ6、守護神1の布陣で考えると鈴木、横山、菊地、ゲレーロに坂本は外さないと思われ最後のピースを誰にするか、プライドを慮っての澤村の余裕は無いがやらかしそうな気はします。
不安とは言いながらも実績のある小野、西村、岩下、澤田、国吉もいて頭数が足りないわけじゃない、GW後半までを先発5枚でいくとなるとリリーフを一人増やせてバチバチが盛り上がって、その中で誰かが二年目のジンクスを破って盤石なリリーフ陣となることを切に願い、待ちます。

明日への活力に！

◆3月12日（水）　千葉ロッテ−日本ハム2回戦（1勝1敗、13時、ZOZOマリン、7,874人）
▽勝　西野　3試合1勝1敗
▽敗　金村　3試合1敗
▽本塁打　ポランコ2号（金村）、レイエス1号（西野）、今川1号（中村稔）

▽バッテリー
千葉ロッテ　西野、鈴木、木村、中村稔—寺地、松川
日本ハム　金村、齋藤、河野、杉浦—田宮、郡司