41 ダラス・カイケル 投手 36歳 年俸50万ドル
【2024年成績】 8試合 2勝4敗0S 防御率3.60 40回 37被安打 3被本塁打 15与四球 2与死球 29奪三振 被打率.255
メジャー経験が無いダイクストラの代わりは、超大物でした。
サイ・ヤング賞投手としてはバウアーに続く史上三人目の来日で、メジャーリーグファンとすれば「まさか」だそうです。
しかしそのサイ・ヤング賞はほぼ10年前でその後は絵に描いたような右肩下がり、日本人と同じ尺度では語れずも36歳は期待半分、不安半分でした。
結果はさすがと唸らせる一方でやっぱりと肩を落としたりもして、まだ去就は明確になっていませんが背番号が一條に渡ったことでほぼ退団だと思われます。
昔取った杵柄
期限ギリギリの7月末に獲得が発表されてその10日後に来日、初登板初先発はその一週間後でした。
そこを5回3安打2失点と無難にデビューするといきなり中5日で7回3安打零封、打線の援護が無く初白星とはいきませんでしたが貫禄のピッチングを披露します。
さらに中5日で5回6安打2失点で初黒星を喫するも今度は中6日を5回3安打1失点で来日初勝利を飾り、また中5日での6回6安打3失点で両目が開きました。
しかしその後は3連敗で地元最終戦を最後にNPBでの登板を終えて、その試合でベースカバーに入ろうとして左太ももを痛めての軽い肉離れでCSメンバーから外れてしまい、ぷっつりと動向が聞かれないままに契約保留選手名簿に名前が無かったことで実質的には戦力外なのでしょう。
評判どおりにまず高めには浮かない低めを丁寧にのスタイルは健在で、しかしそのために少しでも浮いてしまうとそれが真ん中になってしまって打たれたのはしゃーないと思うしかないのか、そのコントロールが徐々に緩み始めるとともに外偏重の単調なリードで狙われた感もありました。
それでも昔取った杵柄とばかりに打たせて取るピッチングで翻弄したのはさすがで、吉井監督らしくない過負荷がカイケルを狂わせたところもあったと考えます。
無理させすぎ
来日前も中5日はおろか中4日でも投げていたことで、その流れに任せたのでしょう。
しかし異国の地での気疲れもあったでしょうし、やれ佐々木だ西野だ石川歩だ唐川だと間隔を空けたくなる先発が多いチーム事情の救世主として託す思惑もあったにせよ無理をさせすぎたかなと、大きく試合を壊すことも無くそこは期待に応えてくれましたがありがちに打撃陣と噛み合いませんでした。
援護率が4.09とそれなりに見えて12点の試合があったことでそうなっているだけで、他の7試合では最多が3点で合計でも8点しか取ってもらえず心理的なプレッシャーがじりじりとカイケルを追い詰めたであろうとは想像に難くなく、5度のゴールドグラブ賞らしからぬ守りでの故障は疲労の蓄積を感じさせます。
そしてあそこまで低めに集めると効果が半減で、高めの釣り球を1球でも入れるだけでかなり違ってくるだろうとの素人考えが実現することはありませんでした。
見栄えが・・・
【オリオン村査定】 50万ドル → 200万ドル(△300%)
シーズンの半分以下で50万ドルとなればこの程度かと、これで不満であれば仕方ないと考えていました。
おそらくの退団はあるいはオファーは出したものの条件で合意できなかった、もしくはカイケルのメジャー志向で先送りとなっているのかもしれません。
もっともその華やかな経歴に比して見栄え、と言いますか快速球とかバッタバッタと三振を奪うとかそういった派手な凄さではないことで「カイケルを見たい」との集客面での貢献が薄かったようにも思えて、それが球団に何が何でもという姿勢が見られなかった理由にも思えます。
マイナー経験が無かったインカビリアが二軍落ちしたのと同じく、複数球団を渡り歩きながら常に60を背負ったカイケルは経歴に傷を付けて去って行きます。