大義名分の舞台は整った

連日の投手戦、いやいや貧打戦だとの指摘も無くもないですが、これを制してCS圏内まであと1つです。
大一番にしては空席の目立つ仙台で終盤の攻防は見応えがあって、勝ち目の薄い展開を競り勝って現地のロッテファンは大喜びでしょう。
これで明日に負けなければ、引き分けでもよくなってかなり有利ですが今の打線に岸は難敵、それに対するは佐々木です。
中8日は疲労回復が遅れているという分かりやすい理由もあるでしょうが本人としても球団としても今オフの渡米に向けて大義名分を作るための舞台設定にも思えて、これで佐々木が投げ勝てば初の二桁勝利で「佐々木がCSを決めた」とスポーツ紙がこぞって書き立てるでしょう。
どうあれ一気に決めたい、負けてもここから引っくり返される可能性はほぼゼロですが勝って笑顔で楽な気持ちで地元でのCS前哨戦としたいです。
恒例の余談は大塚さんと実況が呼んでいたので元西武の大塚だったのかな、ギャオスと同じくなぜに楽天サイドなのかは分かりませんが何かを語っているようで何も語っていない球界の進次郎を目指しているのか「この場面は九回1-1で逆転されたら則本に負けが付き勝ったら則本に勝ちが付く」と実況もスルーせざるをえない空気を醸し出して、中村奨も元々3割を打てる打者らしい、解説者界の人材不足が半端ないです。

佐藤が決めた

打撃陣は早川に手も足も出ず六回まで僅かに3安打、球数を投げさせることもできずに点を取れる気配すらありませんでした。
凡打も含めて雰囲気がよかったのは岡ぐらいでそれ以外の右打者が機能せず、それだけに早川としては失投であろうポランコの一撃に大喜びです。
追い付かれての九回には前の打席でゲッツーの荻野が汚名返上とヒットを打ってフルカウントのオートスタートで代走和田が盗塁を決めて、そこまで2安打のポランコを申告敬遠で佐藤勝負、やや外寄りの高めを逆らわずにセンター前に運ぶ殊勲打を放ちました。
結果的にワイルドピッチで二三塁になったことでセンターが前寄りに守らなかったのが幸いして、そうでなくても大塚いわくセンターはそのままが正解らしいですが、あれが前に守っていれば辰己の足なら追い付けていたかもしれず、左打者で右寄りのポジショニングも佐藤のバッティングに屈した形になります。
最多セーブが確定してる則本はしかし先月は防御率が5点台、今月は今日で6点台になってのトータル3点台半ばはいつの間にやら2点台半ばに持ち直した益田の春先、そして7月あたりの絶望感に似ていて、楽天ファンとすれば負けるべくして負けた継投との声が某掲示板であふれかえっていました。
ともあれ早川は覚醒のシーズンとなって藤平もそう、悔しいなぁ、藤平は平沢との里帰りトレードを画策したのが懐かしい、まあ二年続けて活躍できるか知らんけど、クジで外したり獲るつもりがなかったりとどうにもならない状況ではあれ地元出身にやられるのは面白くありません。
そんな打線にやはり助っ人頼みで約半月ぶりのポランコの一発に触発されて明日はそれに追い付くソトの二発に期待しよう、アベック弾でもよいです。

種市全開

種市は初回から150キロ台を連発する全開モードで5回4安打零封は白星を手にすることはできませんでしたが、きっちりと試合を作りました。
適当にばらけながらもここぞでビシッと決めて佐藤も大胆に内を要求して、フォークの落ちとスライダーの曲がりもよかったです。
それでも五回を除いて走者を背負って初回は二死一三塁、三回は自らの牽制悪送球もあって二死二塁、四回は一死二三塁とピンチの連続をよく凌いだなと、あれだけ投げられれば足の状態も問題は無さそうですし、念願の規定投球回にも達してポストシーズンでも輝いてもらいたいです。

平常と非常と

そんな種市の五回降板はイニングと言うよりは球数目処でかつ内容も込みで考えれば妥当、六回で継投に入ります。
いきなり引っ掛けた横山はまたかよでしたがそこから無難に抑えて鈴木は三者凡退、常に一人目は140キロ台で今日は走者無しで140キロ台後半は一発のあるフランコでのギアチェンジだったのか、最後はあまり見ないスライダーを続けまくってやっぱり気になる状態です。
そしてこんな状況でも平常モードで八回に菊地は同点であれば分からなくもないですがリードをして、1つ勝てば絶対的有利となるカード初戦に突っ込むのはどうなのよ、この期に及んで目先の勝利より若手の育成で逆転負けを喫していたらネット界隈で大変なことになったでしょう。
そういう意味で後続を断った菊地にはいい経験になったでしょうし、マッチポンプではありましたがプロ初勝利です。
そして最後は澤村の恐怖に怯えながらも国吉だろうな、と思ったらまさかの益田の3連投は今季初、おそらくチームとしても初めてではないかと、同期入団の鈴木大にツーボールとなってキモが冷えましたがボールくさかった3球目をストライクにしてもらえて、ヒットは打たれましたが無事に243セーブ目です。
そのジャッジに加えて石原のバント失敗も大きかった、小技が上手いとは思えずなぜピンチバンターを出さなかったんだろう、と不思議に思っていたら捕手は二人しかベンチ入りしておらず出したくても出せない、止めるのは無理だったでしょうが表のバッテリーミスに裏のバントミスの石原は散々でした。
明日はさすがに益田の4連投は無いでしょうからこの非常モードを前提に国吉を明日に残しておくための菊地だったのかもしれず、そして全体としてはキラー伊藤裕、安田にヒットを打たれながらも初回、八回と厳しい場面で抑えたのが勝因でもあって、明日もそれでお願いしたいです。

可哀想・・・

お立ち台は決勝打の佐藤かと思いきや菊地、ちょっと可哀想でした。
一歩間違えれば戦犯だったわけで本人もそれが分かっているからこそなおさら辛い、やはりリードを守り切れず引っくり返してもらっての棚ぼたプロ初勝利だった中森ってどうでしたっけ、選ぶのはおそらく広報担当でしょうし先輩たちが遠慮したのでしょうが、スタンドの拍手もまばらであまりに酷なヒーローです。
吉井監督との記念撮影では笑おうとするも涙を堪えるかのような口元の引きつりになってしまって、お立ち台でもその後の撮影でも笑顔は無しでした。
この悔しさを糧に次に晴らそう、笑顔でお立ち台に立てるようなピッチングを残り3試合、ポストシーズン、そして来季以降に期待します。

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◆9月30日(月) 楽天−千葉ロッテ24回戦(ロッテ12勝11敗1分、18時1分、楽天モバイルパーク、24,040人)
▽勝 菊地 19試合1勝1S
▽S 益田 44試合1勝4敗25S
▽敗 則本 54試合3勝4敗32S
▽本塁打 ポランコ23号(早川)

▽バッテリー
千葉ロッテ 種市、横山、鈴木、菊地、益田—佐藤
楽天 早川、藤平、則本—太田、石原

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